子どもが指を挟む危険性はどこに潜んでいる?事故事例と安全対策について

2018.08.10店舗内の危険事故
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店舗では、事故を避けるためにさまざまな安全対策を考え、実施されていることかと思います。しかし、想定外のアクデントが発生することもよくあるため、十分に注意する必要があります。

中でも気をつけるべきなのが、子ども関連のトラブルです。子どもは大人が思ってもみないような事故を引き起こす可能性があります。そのひとつが「指挟み」とも呼ばれる、指を挟む事故です。

以下では、子どもが指を挟む事故とその対策についてご紹介します。

店舗内で、子どもが指を挟む危険性が潜んでいる場所


まず、子どもはどのような場所で指を挟む可能性があるのでしょうか。ここでは、指挟みの危険性が潜んでいる場所やケースをご紹介します。

試着室などのドア

家庭での子どもの指挟み事故の中でも特に多く報告されているのが、開き戸でのドアと壁のすき間に指を挟む事故です。子どもがドアと壁のすき間に指を入れていることに気が付かず、家族などの第三者がドアを開け閉めしてしまい、子どもが指を挟まれてけがをする事故が多数報告されています。

 

店舗の場合、出入り口のドアの多くは自動ドアとなっているため、ドアと壁の間に指を挟むことはないと思われるかもしれません。しかし、店舗内に試着室を設置している場合は、家庭と同様の事故が起こる可能性があります。

このような事故は一歩間違えれば大けがにもつながってしまうだけでなく、店舗に対してお客様が不信感を抱いてしまうこともあるため、子どもを始めとしたお客様が指を挟まないように十分な注意を払い、対策をすることが必要です。

棚下の引き出し式収納スペース

売場の棚下部にストックの収納スペースを設けている場合、注意が必要です。

店舗の種類やレイアウトによっても異なりますが、棚の下に引き出し式の収納スペースを設けているケースは多くあります。そうした収納スペースは、店舗スタッフが出し入れしやすいように、施錠がされていないことが少なくありません。

営業時間中に従業員が収納スペースを開け閉めすることもあるため、そういった様子を見た子どもが好奇心で収納スペースを開けたり閉めたりし、指を挟むという事故が発生してしまうのです。

エスカレーターの手すりベルトや吸込口

エスカレーターの手すりベルトや吸込口は、大変危険です。

子どもは好奇心が強く、さまざまなものに触れようとします。そうした好奇心やふいの転倒から、エスカレーターの手すりベルトに触ったり、吸込口に手を入れたりしてしまいます。

ドアや引き出しとは違い、エスカレーターは機械であるため、指を挟むとそのまま手指が吸い込まれてしまう可能性も大いにあります。万が一の場合、重傷につながる可能性が高いため、特に注意が必要です。

エレベーターのドア

エレベーターも、子どもにとっては好奇心をくすぐる場所の1つ。エレベーター内の事故として多く報告されているのが、ドアへの指挟みです。

ドアに注意喚起のステッカーなどを貼っても、まだ字を読むことができない小さな子どもには効果がありません。またエレベーター内が混雑していると保護者の目が届かない場合もあり、ドアが閉まる瞬間に子どもが手を伸ばしたことに気が付かず、指や手、体を挟まれてしまうといった事故が発生してしまいます。

階段の手すりや柵のすき間

指以外にも、頭や体を挟んでしまうケースもあります。

子どもは、階段の手すりや柵などから下や周囲をのぞき見ることが好きです。興味本位で手すりや柵のすき間に頭を入れて、そのまま抜けなくなってしまうこともあるため、指挟みの心配がないような場所でも注意が必要です。

店舗内で指を挟む事故の事例

では、店舗内ではどのような指を挟む事故が発生しているのでしょうか。ここでは、店舗内やその周辺で実際に起きた指挟み事故の事例をご紹介します。

【事例1】試着室ドアで起きた、指を挟む事故

1つ目にご紹介する事例は、衣料品を扱う店舗内の試着室で発生した事故です。

50代の女性が衣料品を試着しようと、試着室へ出入りした際にその事故は発生しました。従業員が女性への確認を十分にしないまま試着室のドアを閉めたため、女性の右手の小指をドアに挟んでしまったのです。

女性は従業員のミスや設備の不備によって骨を折るけがを受けた上、店舗側の対応が悪かったと不満を感じ、損害賠償の請求も検討しているとのことです。

 

【事例2】エスカレーターで起きた、指を挟む事故

2つ目は、施設屋外に設置されているエスカレーターで起きた事故の事例です。

けがをしてしまったのは、母親と手をつないで上りエスカレーターに乗っていた1歳の女の子。母親が手を離したスキに誤ってエスカレーターに手をついてしまい、吸込口に指を挟まれてしまったとみられます。

女の子は小指を切断する重傷を負い、この事件はテレビのニュース番組などでも大きく報じられました。

指を挟む事故を予防するための安全対策

上記のような指挟み事故を発生させないためには、来店した子連れのお客様の見守りをするだけではなく、適切な安全対策を実施することが必要です。ここでは、指を挟む事故を予防するための安全対策を、危険が潜んでいる場所別にご紹介します。

試着室などのドアの安全対策

試着室や店舗入り口などのドア付近での指挟み事故を予防するためには、2つの視点からの対策が必要です。

まず、従業員がドアの開け閉めをする際はドア付近をよく観察することと、お客様や他の従業員がいる場合はしっかりと声掛けを行うことが大切です。従業員のドア操作によってお客様にけがをさせてしまっては、店舗への信用にも関わります。ドアの開閉には十分注意するよう、従業員へ教育を行いましょう。

そして、お客様自身がドアの開閉を行う場合も考え、安全なドアの試着室への変更や、注意喚起のステッカー貼付などの対策も並行して行うことをおすすめします。

引き出し式の収納スペースの安全対策

引き出し式の収納スペースでの事故への対策としては、収納スペースを自由に開閉できないよう施錠するなどの安全対策が考えられます。この機会に店舗内のレイアウト配置などを検討し、ストックの収納スペースを子どもの手が届かない位置へ変更するのもひとつの手かもしれません。

エスカレーターの手すりベルトや吸込口の安全対策

エスカレーターの吸込口付近の事故に関しては、最悪の場合指を切断する大けがに発展する可能性もある場所であるため、十分な注意が必要です。注意喚起を行うとともに、吸込口に容易に触れられないよう囲いを設置するなど、万全の安全対策を行いましょう。

階段の手すりや柵のすき間の安全対策

店舗内の階段の手すりや柵の間隔が広いと感じる場合は、間隔の狭いものやすき間がないものに変更する、カバーをつけるなどの安全対策を検討しましょう。

 

まとめ

今回は、店舗内のドアや引き出し、エスカレーターなどで指を挟む事故について、実際に起きた事故事例や予防のための安全対策をご紹介しました。

子どもの指挟みは家庭内だけでなく、店舗内でも十分に発生する可能性のあるアクシデントです。安全対策を怠ると大けがにつながるケースもあるため、十分に注意しましょう。

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