店内商品の荷崩れで事故を起こさない安全な積み方は?

2019.06.17店舗内の危険事故
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店内商品の荷崩れ店舗で商品を陳列する際やロールボックスパレットなどで商品を移動させる際、注意しなければいけないのは荷崩れを起こさないように積む、並べるということです。荷崩れが起こるとさまざまな危険があるため、事故を未然に防ぐよう対策しなければいけません。

以下では、荷崩れによって起こる危険や事故予防の方法についてご紹介します。

危険な荷崩れによって発生する被害

危険な荷崩れによって発生する被害

■ストックフォト撮影用にレンタルしたスペースにて撮影を行っています。■ダンボール箱は小道具です。

荷崩れによって発生する危険は、大きく分けて2種類あります。ひとつは人的な被害、もうひとつは物的な被害です。

荷崩れによる人的な被害

人的な被害としては、荷崩れに従業員やお客様が巻き込まれ、商品の下敷きになってケガをするということが考えられます。

商品にはさまざまな種類があり、なかには重い商品や硬い商品もあります。こうしたものが倒れ込んできた場合、人が下敷きになるとケガをする可能性があります。

また、軽い商品の場合でも、角が尖っていると目に入ってケガをする危険性もあります。従業員がケガをするのももちろん問題ですが、お客様がケガをすると訴訟に発展するケースもあるため注意が必要です。

荷崩れによる物的な被害

物的な被害としては、荷崩れした商品が破損することがあげられます。

重い商品の場合、荷崩れで落下したときの衝撃で中身が壊れることがあります。重くて硬い商品が棚などにぶつかった場合、棚などが破損する可能性も考えられるでしょう。

軽い商品だと落ちただけでは壊れないことが多いですが、荷崩れの程度によっては下敷きになって破損するケースもあります。

また、中身が破損しなくても商品が入っている箱などのパッケージ(外装)が破損してしまった場合、売り物にならなくなってしまうことも。大幅に値下げをして販売したり、店舗側で買い取りをしたりといった対応が必要になり、損害が出るケースもあります。

こうした荷崩れによる事故を予防するためにも、店舗側で対策を施す必要があります。

店内商品の荷崩れによる事故事例

店内商品の荷崩れによる事故事例では、店内商品の荷崩れによって、どのような事故が起きているのでしょうか。ここでは、2つの事故事例をご紹介します。

スーパーの陳列棚からの荷崩れ事故事例

スーパーで10代の女児と保護者が買い物をしていたところ、棚卸し中と見られる陳列棚で荷崩れが起こり、女児が崩れ落ちてきた商品の下敷きになった事故事例です。女児の体には打撲があり、全治1週間程度と診断されました。

書店の絵本棚からの荷崩れ事故事例

続いての事例は、書店で4歳の男児と保護者が買い物をしていたときに起こった事故です。児童書コーナーで保護者がスタッフに商品について質問していたところ、男児が棚の絵本に手をふれ、10冊以上の絵本が崩れ落ちてきました。男児は顔面を棚の角にぶつけ、出血。前歯が1本折れたほか、唇の内側と外側にいくつか傷ができました。

絵本が棚からせり出す形で陳列されていたことに加え、責任者が男児の見舞いにきたのが事故の2週間後とかなり遅いタイミングであったことなどから強い不満を感じており、弁護士を通じて損害賠償請求をしようと考えているとのことです。

店内で荷崩れ事故が起こる原因は?

店内で荷崩れ事故が起こる原因は?店内で荷崩れ事故が発生する原因は、大きく分けて2つあります。

陳列の仕方

1つは陳列方法に問題がある場合です。

ご紹介した事例のように棚からせり出すように陳列していたり、過度に高く積み上げたりしていると、荷崩れが起きやすくなります。

移送中の不備・不注意

2つ目の原因は、商品の移送中の不備や不注意です。

店内商品の棚卸しや、商品棚の入れ替えなどを行う際、ロールボックスパレット(カゴ車)などに商品を積んで移動することもあるでしょう。このとき、積み方に問題があったりサイドバーを使用していなかったりすると荷崩れが起きます。また、スタッフの不注意などによってロールボックスパレットが棚や壁などに衝突した拍子に荷崩れが起きることもあります。

荷崩れによる事故を予防するには?

荷崩れによる事故を予防するには?上述したように、荷崩れによる事故は人と物の両方に被害を与えます。こうした荷崩れ事故を未然に防ぐためには、荷崩れが起こらないよう対策を施す必要があります。

荷崩れ予防の対策としては、以下のようなものがあります。

陳列時に荷崩れが起きにくい積み方をする

最も簡単な事故予防の対策が、陳列時に荷崩れが起きにくい積み方をするというもの。積み方のポイントは大きく分けて2つあります。

荷崩れが起きにくい積み方として、まずは高く積み上げないことが重要です。高く積み上げればそれだけ崩れる可能性が高くなり、崩れたときの被害も大きくなります。

次に、重い物や大きいものを下に置くというのも大切です。できるだけ重心を下に持ってくるほうが、バランスは安定します。重い物や大きいものを上にすると重心は必然的に高くなるため、崩れやすくなるのです。

こういった点を注意するだけでも、荷崩れは起きにくくなります。

荷崩れ予防製品を使う

積み方のポイントを抑えて荷物を積んでも、バランスが悪くなってしまうこともあります。また、保管場所の都合などで、どうしても荷物を高く積まなくてはならない場合などもあるでしょう。そのような場合には、荷崩れ予防用の製品を使うという方法がおすすめです。

荷崩れ予防用の製品としては、動かないよう商品に巻くベルト、商品の下に敷くすべり止めシート、外装に直接塗布するすべり止め液などがあります。さまざまな種類があるため、保管場所や商品に合わせて選ぶことができます。

事故が起きてしまった場合に取るべき対応

事故が起きてしまった場合に取るべき対応荷崩れしにくい積み方を意識したり荷崩れを防ぐためのベルトなどを利用したりしていても、不幸なアクシデントなどによって荷物が崩れてしまうときはあります。店舗内でそうした“もしも”の事故が発生してしまった場合は、店舗管理者やスタッフはどのように対処すれば良いのでしょうか。

荷崩れ事故によってお客様に被害が及んだ場合、まずは何よりもお客様の救護を優先します。本部への連絡などは、救急対応の後にしましょう。

下敷きになっている場合は、まずは荷崩れしたものをどかします。商品が大量にある場合や1人では動かせない場合は、大きな声で他のスタッフの協力を要請しましょう。

お客様の救護ができたら、ケガをした箇所を見て傷病の程度を確認します。お客様の意識がない場合や大量の出血がある場合、頭を強く打った様子がある場合、お客様自身が強い痛みを訴えている場合など、立ち上がることや歩くことが難しいような場合はすぐに救急車を呼んでください。

切り傷や擦り傷など明らかに軽傷と判断できる場合でも、「軽傷なので大丈夫ですね」といった対応をしてはいけません。目に見えないケガをしている可能性もありますし、「ケガを軽視された」としてクレームにつながる恐れがあるためです。

軽度の傷しか見当たらない場合でも病院の受診をすすめ、タクシーを呼ぶなど病院への送迎を申し出ることをおすすめします。病院へ行くことを固辞された場合でも、スタッフルームで手当をさせていただきたいと申し出ましょう。

救急車やタクシーなどでお客様が病院へ行く際は、できる限り店舗の責任者やそれに準じる者が同行するようにしてください。これは治療費の領収書や診断書を確実に手に入れるためでもあり、店舗側の誠意を見せるためでもあります。

「今、店長がいないから」「1人抜けると店が回らなくなるから」などの理由で付き添いをしなかったために、法外な治療費の請求を受けた事例もあります。必ず病院には同行することをおすすめします。

また、事故直後は痛みを感じなかったとしても、帰宅後や翌日以降になって痛みが出てくる可能性もあります。「受診も手当も必要ない」とお断りされた場合でも、お客様の連絡先をお聞きして後日お詫びと体調を伺う連絡をするか、店舗責任者の連絡先をお渡しして何かあった際にすぐにご連絡いただくようにすると良いでしょう。

まとめ

荷崩れは、お客様にとっても店舗にとっても危険な事故です。できる限り対策を施し、安心・安全な店舗づくりを行うべきです。

商品陳列の際は積み方に注意する、ロールボックスパレットで移送する際は十分注意するなど心掛け、店内商品の荷崩れが起きない安全な店舗にしましょう。

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タグ : 事故 防止 対策 店舗づくり 荷崩れ
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