電源コードを床に這わせるのは危険?束ねるのは?売場の配線の安全対策

2020.04.10売場の危険な場所
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照明や音響など、さまざまな機器を利用するためには電源プラグを電源につなぐ必要があります。

 

電源がすぐ近くにない場合、配線がうまくいかず床に電源コードを這わせているお店もあるかもしれません。しかし電源コードが床を這っていると、見た目が悪いだけでなくお客様がつまずいたり台車の通行の妨げになってしまったりと、事故の原因になってしまうこともあります。

 

今回は、売場の配線に関する安全対策についてご紹介します。

 

電源コード配線時の注意点

電源コードを配線する際の、具体的な注意点について見ていきましょう。店舗のレイアウトを考える際の参考にしてください。

 

電源コードを無理に曲げないようにする

電源コードを無理やり曲げると一部分に負荷がかかり、断線の原因になります。コード自体は基本的に柔らかいため、曲げても大丈夫と思いがちですが、かと言って無理に曲げるのは厳禁です。

どうしても曲げる必要がある時は、曲がる角度がゆるやかになるよう調整しておきましょう。

 

水濡れ・湿気が発生する場所を避ける

電源コードは電気を直接取り込む部分のため、水気は大敵です。そのため、水を使った商品や湿気がこもりやすい場所はできるだけ避けてください。

また、抜き差しなど電源コードを触る必要のある時には必ず手が乾いている状態で触りましょう。感電の危険があり、大怪我につながる可能性もあります。

 

ほこりが溜まらないようにする

コンセントにしばらく挿したままのプラグには、ほこりが溜まりやすくなります。ほこりには湿気が含まれており、その水分が原因でショートを起こすことがあります。ショートすると火災につながり非常に危険なため、定期的にプラグ回りのほこりを掃除することを意識してください。

 

電源コードを束ねるのは避ける

不必要な長さのコードを使っている場合、どうしても余りの部分が出てきます。その余った部分を束ねているケースも多いかと思いますが、電源コードを束ねるのはNGです。詳細は後述します。

 

床を這わせるのを避ける

店舗の中には、スペースの問題などから電源コードを床に這わせているところも多いかもしれません。しかし、床を這わせるのもできれば避けたいことです。こちらも以下で詳しく見てきましょう。

 

電源コードを束ねることのリスク

電源コードを束ねることのリスクとしては、次のようなことが考えられます。

 

電源コードの中の電線が切れることがある

無理やり曲げた時と同じように、束ねているとコードに強い負荷がかかり、中の電線が切れてしまうことがあります。断線すると電流が通らなくなりますし、使用している機器によっては断線すると大きなトラブルに発展することも考えられます。

 

熱がこもり怪我や火災の原因となる

束ねたまま使っているとコードに溜まった熱がうまく放熱されず、火災の原因となる危険性もあります。熱がこもらないようにするためにも、束ねずに使用することをおすすめします。

 

電源コードを床に這わせることのリスク

ショッピングセンターやその他の小売店などの商業施設で床に電源コードを這わせることは、なぜ避けたほうが良いのでしょうか。

 

売場の美観を損なう

まず単純に美観の問題があります。電源コードが店舗内の床にそのまま這っていると、雑多な印象を受け店舗に対する信頼性や魅力が損なわれてしまいます。また、きれいに整理されていない店内で働いていると、従業員のモチベーション低下にもつながってきます。

 

転倒事故の発生

床に電源コードが這っていると、それにつまずいてお客様や従業員が転倒することが考えられます。特に電源コードの配線が何本も束ねられている場合、固定するためのコードカバーと床の段差が大きくなりがちです。その段差の大きさによっては、お客様が配線につまずいてしまう事故が発生してしまいます。場合によっては転倒し、怪我を負わせてしまう場合もあるでしょう。

店内で台車を利用する場合は、車輪にコードに引っかかって荷物が落ちる、お客様に衝突するなどの事故も起きかねません。

 

電源抜けの発生

床に這わせた電源コードにつまずいて電源が抜けてしまった場合、一時的であってもその電子機器は停止してしまいます。タコ足配線であれば多くの機器が一斉に停止することになります。

電源が切れたのが音響機器やレジスターなどであれば大きな被害にはなりませんが、もし飲食店で冷蔵庫や冷凍庫が機能しなくなり長時間気が付かなかった場合、食材の廃棄をしなくてはならないことも考えられます。

電源抜けは火災などには直接つながらなくても、営業上のリスクがかなり大きいといえます。

 

コードカバーの劣化による断線・漏電

踏まれたり蹴られたりすることでコードカバーが劣化し、コードの中身がむき出しになってしまう可能性も考えられます。

断線や漏電など、大きな事故につながることもあるため、店舗の安全対策を考えるのならば、売場の床にはなるべく電源コードは這わせないようにすることが重要です。

 

配線の安全対策にはどんなものがある?安全ですっきりとした美しい売場を!

床に電源コードが這っている売場がある場合は、見た目の面でも安全性の面でも一度配線を見直し、安全対策を取ることをおすすめします。では、電源コードを離れた場所の電源に安全につなぐには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。

 

配線整理をしてお客様が通らない棚の裏などに這わせる

可能な限り、陳列棚の裏やバックスペースなど、お客様が通らないところに電源コードを這わせるようにしましょう。特に、レイアウトを変更したり臨時でコーナーを作ったりした場合は、配線がうまくいかずにコードがお客様用の通路に出てしまったりすることがあります。

 

売場のレイアウトを考える際には、配線についても考慮し、できる限り床に電源コードが出ることのないようにしましょう。

 

OAフロアにする

店舗の性質上、どうしても配線が多くなってしまい、電源コードを這わせるスペースに限界がある、というケースもあります。そうした際に利用したい対策方法が、OAフロアです。フリーアクセスフロアや二重床とも呼ばれるように、OAフロアは床を二重にし、間のスペースに配線などを配置する構造となっています。

 

売場を丸ごとOAフロア化してしまえば、安全かつ自由に配線を配置することができます。ただし、設置には専用の工事が必要となるほか、OAフロアの種類によっては、一度設置した配線を変更するのが難しいなどのデメリットもあるため注意が必要です。

 

充電式バッテリーを利用する

電源がないフロアやOAフロアにするほどの規模でもないフロアなどで利用したいのが、充電式バッテリーです。

 

充電式バッテリーならば場所を選ばず電力を供給できる上に、充電して繰り返し使用することができます。

 

長々と配線を這わせる必要がないので、安全に電源を確保できるのが魅力です。小さな売場のほか、臨時のコーナーを作る時などに重宝します。

 

まとめ

電源コードを何本も床に這わせたり、束ねたままで使用したりといった不適切な電源コードの処理は、火災から店内での転倒事故、荷物の落下事故、電子機器の停止などさまざまなトラブルに発展する可能性があります。濡れた手で触らない、無理に曲げないなどすぐにできる対策も多くありますが、美しく整えたいという場合には専門の業者に依頼することも選択肢の1つです。

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タグ : 照明 転倒 火災 安全対策 作り 電源コード ほこり
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