地震で停電が発生…!売り場や飲食店での災害対策と対処法は?
2019.08.05緊急事態への対策多くの人が利用する店舗では、災害への備えもしっかりと考えておかなければいけません。「災害への備え」というと規模の大きなものを想像しがちですが、災害は大きなものだけとは限りません。
たとえば停電。停電したことによって命に関わる事態が発生することは、そうありません。しかし、停電に対する備えがなければ、それがさまざまなトラブルに発展してしまいます。
以下では、災害に備えてどういった対策が必要なのか、また実際に停電になった際にどのように対処すればいいかについてご紹介します。
停電の発生が懸念される状況
停電自体が大きな被害をもたらすわけではありませんが、暗くて何も見えなくなることでケガ人が出たり、お客様に不安を感じさせたりとネガティブな点は多くあります。
まずは、停電の恐れがある状況を考えていきましょう。
地震による発電所の緊急停止
停電が起こる代表的な原因が地震です。大規模な地震が起こると、さまざまな発電所は緊急停止するシステムが作動し、電気の供給がストップしてしまいます。電力の大元が機能しなくなると、当然停電につながります。
2018年に起きた北海道胆振東部地震では、北海道中の電力をまかなっていた大きな発電所が次々と停止し、最終的には北海道全域でブラックアウト(大規模停電)が起こりました。地震の規模や発電所の所在地によってはこのような事態も起こり得るため、事前の備えはとても大切です。
台風による電線の断線
台風による土砂崩れや倒木が原因となって、電線そのものが断線したり電柱が倒壊したりすることもあります。また、強風が吹いた際には看板やアンテナなどが吹き飛ばされ、電線と接触することで停電につながる可能性もあります。
火災による電線の断線
建物で起こった火災が電線にまで広がり、断線すると停電が起こります。火災の場合は停電以外にも、甚大な被害を及ぼす危険性があるため、十分に気をつける必要があります。
売り場で注意したい地震に対する備え
地震が原因で起こる停電に限らず、災害による被害を防ぐ、あるいは抑えるためには、事前に役割分担をきちんとしておくことが大切です。
事前の役割分担
災害が発生したときに誰が指示を出すのかを明確にして周知しておかないと、誰の指示に従えばいいのか、また誰に指示を出していいのか、など混乱が生まれます。こうした混乱は事態の解決を困難にするため、事前に指揮系統をはっきりさせておきましょう。
このほか、火事の際の消火係やお客様の誘導係なども決めておくと、スムーズに行動できます。
非常用電灯の準備
停電に対する事前準備としては、非常用電灯を十分用意しておくことも大切です。スタッフが使う分はもちろん、お客様が使用することも考慮した個数を用意する必要があります。
売り場で停電が発生した際の対処法
お客様へのアナウンス
店舗で停電が発生した場合、まずはお客様への対応を早急に行うことが大切です。
急に電気が消えたことで不安を感じるお客様もいるため、停電によってご迷惑をおかけしていることに対する「謝罪」と「問題に対応中である旨」を伝えます。
停電の際はスピーカーが使えないため、直接フロアを回って声をかけます。同時に、非常用電灯についての案内も行いましょう。
状況確認
次に、停電の状況を確かめます。可能であれば電力会社に連絡し、復旧見込み時間を確認しましょう。
停電が長引いた場合の対応
また、停電による混乱が続いた場合、レジが使えないことから未精算のままで帰ろうとするお客様もでてきます。そうしたことが起こらないよう、手計算で素早く会計を行いましょう。
飲食店で注意したい地震に対する備え
地震などの災害が起きた際に被害を最小限に抑えるためには、レストランやカフェ、バーなどの飲食店ではどのような備えをしていれば良いのでしょうか?
落下の危険性をなくす
地震で真っ先に考えられる危険が、落下物です。特に飲食店では皿やグラスなどの食器類が落下してくる可能性があります。
とはいっても、食器類は固定するわけにはいきません。食器類を棚に収納している場合は、しっかりと閉まる収納扉をつけるようにしてください。ただ扉をつけるだけでは食器が飛び出してくる可能性があるので、極力ラッチをつけるようにしましょう。
お店によっては絵画やオブジェなどのインテリア類を高い位置に配置している場合もあるかもしれませんが、落下の恐れがあるものはしっかりと固定しておきましょう。
落下した食器がお客様に直接当たらなくても、飛散した破片でケガをすることもありますので、お客様に何の被害も出ないように細心の注意を払うことをおすすめします。
酒瓶などの保管
お店によっては、高級なワインや日本酒などを置いているところもあるでしょう。災害が起こったときにそれらが割れてしまうと、大きな損害を受けることになります。
高さのあるところに保管していないとしても、ワインセラーなど酒瓶の保管場所にも落下対策を施しておくことをおすすめします。
飲食店で停電が発生した場合の対処法
厨房の火元への対応
厨房周りで最も注意が必要なのはガスや火器類です。料理の最中に停電が起こることも考えられるため、まずはガス漏れがないようにすぐにガスの元栓を閉める、IHの場合は主電源をオフにしておきましょう。
また、電気が復旧した際すべての電子機器に電力が一気に供給されると、ブレーカーが落ちるかもしれません。念のため、電子レンジなども含めて電子機器の電源は抜いておくことが大切です。
冷蔵庫の取扱いにも注意が必要です。停電になった場合、冷蔵庫にも電気は供給されなくなります。そのため、停電が長引く場合には氷を入れるなどして庫内の温度が上がらないようにする必要があります。
お客様へのアナウンス
飲食店でも売り場と同じように、お客様の安全を第一に考えて行動すべきです。まずは、お客様の不安を抑えられるように、停電によって迷惑を掛けていることに対して「謝罪」し、それから「現在対応中」の旨を伝えましょう。
また、停電の際には明かりを求めてライターに火をつける人もいますが、地震など災害による停電の場合はガス漏れが発生している可能性もあります。そうした場合に火をつけると、引火する危険性があるため、お客様へ向けてアナウンスをしておくことが大事です。
停電が長引いた場合の対応
停電が長引くとお客様にも迷惑がかかりますし、何よりも営業を続けることが難しくなります。その場合は、お客様に謝罪と断りの言葉を伝えて退店していただき、一時的に営業を停止しましょう。
また、その後に予約が入っているお客様に対しても、携帯電話などで停電のことを伝えキャンセルの連絡を入れておきます。
まとめ
スーパーや飲食店などの店舗にとって、停電は営業停止につながる一大事ですし、何よりも場合によってはお客様にケガをさせてしまうかもしれない危険な状況です。災害の際にお客様の安全を守るためには、地震が起きても落下物ができるだけないように日頃から備えておく必要があります。
また、停電後のお客様へのアナウンスや対応などでも、お客様の心理状況は変わります。万が一の際にもスムーズに対応できるように、あらかじめ有事の役割分担を決めておきスタッフ同士の連携を取っておきましょう。