大阪万博が目指すサステナビリティとは?店舗ディスプレイの見直しで未来を変えよう
2025.06.02店舗の安全管理大阪・関西万博が2025年4月から10月にかけて開催しています。今回の万博テーマの1つが「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」です。持続可能な社会を実現させるには、環境配慮が重要です。
環境への配慮は、企業の社会的責任(CSR)にも当てはまります。企業活動のなかで環境配慮に取り組む方法はさまざまですが、店舗ディスプレイにおいてもサステナビリティを実践することで、環境配慮につなげることができます。
そこで今回は、大阪・関西万博のテーマでもあるサステナブルと、店舗ディスプレイの関係について解説します。
サステナブルな社会の実現に向けた万博の理念
今回の大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。世界が集まる場として多様な価値観の交流や新たな価値創造の促進を目指しています。
このテーマのもと、大阪・関西万博は、持続可能性に関する課題に対して新たなソリューションを提供する場となることを目指し、「持続可能な大阪・関西万博」に向けた方針を策定しました。
博覧会協会は、管理責任・包摂性・誠実性・透明性という4つの統治原則を基盤に、組織運営を行っています。
また、企業パビリオンや海外パビリオンでは、それぞれの視点から「持続可能な社会の実現」に向けた多様なアイデアや取り組みが紹介されています。
参考:EXPO 2025「持続可能な大阪・関西万博開催にむけた方針」
サステナビリティと店舗の関係性
まず、サステナビリティとは日本語で「持続可能性」という意味があります。「サステナビリティへの貢献」は、持続可能な社会の実現に向けて、企業や個人が積極的に行動することです。
近年、環境問題や社会課題への関心が高まるなかで、店舗運営においてもサステナビリティを意識した取り組みが求められています。例えば、プラスチック使用の削減や、地元産の食材を使用するなどの施策は、環境負荷の軽減だけでなく、地域社会とのつながり強化にもなります。
持続可能な社会の実現に向けた取り組みは、顧客からの評価を高め、店舗のブランド価値を向上させる効果があります。加えて、社会的責任を果たす企業としての姿勢は、従業員のモチベーションや採用活動にも良い影響を与え、結果的に店舗の持続的な成長へとつながっていくでしょう。
サステナビリティは一時的な流行ではなく、これからの時代に欠かせない視点です。店舗がこの考え方を積極的に取り入れることで、社会貢献だけでなく、ビジネスの安定と発展を同時に実現できるでしょう。
店舗ディスプレイに潜む環境負荷
持続可能な社会を実現するには、環境負荷を減らすことが大切です。実は、店舗ディスプレイにも環境負荷が潜んでいます。
短期間での更新や季節ごとの使い捨てによる廃棄問題
まず挙げられるのが、短期間でのディスプレイ利用です。多くの店舗では、イベントや季節の変わり目に合わせてディスプレイを定期的に刷新しています。このような短いサイクルでの更新は、結果として大量の廃棄物を生み出す要因となります。
特に、装飾物や陳列什器にはプラスチックや金属といった素材が使われていることがあります。それらが使い捨てられることで環境負荷が高まっています。華やかな演出の裏側には、大量の資源の浪費と処分の課題が潜んでいるのです。
リサイクルしにくい
店舗ディスプレイは、リサイクルしにくいといったデメリットがあります。これは、ディスプレイに使われているプラスチック・合成素材はリサイクルが難しく、焼却処分になることも多いという理由からです。焼却処分することで有害物質等が発生するため、環境負荷のリスクがあります。
輸送・施工時のCO2排出
ディスプレイは現場での施工に加え、製作拠点から店舗までの輸送も必要とされます。その過程で使用される車両や機材からはCO2が排出され、地球温暖化へ影響を及ぼしています。また、大型ディスプレイの設置には重機や多くの人員が関わるため、エネルギー消費も少なくありません。環境負荷を抑えるためには、輸送距離の短縮や簡易な施工方法の導入などが求められます。
環境に配慮した店舗ディスプレイとは?
店舗が持続可能な社会を実現するためには、環境に配慮した店舗ディスプレイの利用がおすすめです。ここでは、環境に配慮した店舗ディスプレイの種類についてご紹介します。
再生可能素材の活用
環境に配慮した店舗ディスプレイでは、再生可能な素材の活用が重要なポイントです。
例えば、段ボールや再生プラスチックを使用することで、廃棄物を新たな資源として再利用できます。
また、植物由来の有機資源である「バイオマス素材」は、石油由来の素材に比べてCO2排出量が少なく、持続可能な資源として注目されています。これらの素材を積極的に取り入れることで、ディスプレイの環境負荷を大きく軽減することが可能です。
省エネ技術の導入
店舗ディスプレイに省エネ技術を導入することも、環境への配慮につながります。例えば、従来の蛍光灯からLED照明を使用することで、消費電力を大幅に削減できます。
他にも、店舗の立地や設計を工夫し、自然光をうまく取り入れることで、照明にかかるエネルギーを抑えられます。こうした省エネ設計は、環境負荷を軽減するだけでなく、電気代の削減にもつながるメリットがあります。
再利用・再構成可能なモジュール設計
長期的に活用できるディスプレイの実現には、再利用や再構成が可能な「モジュール設計」の導入が効果的です。パーツごとに分解・組み替えができる構造にすることで、季節やイベントごとに必要な部分だけを変更でき、全体の廃棄量を抑えられます。また、収納や運搬も効率的になり、コスト削減にも貢献します。このような設計思想は、サステナブルな店舗運営において欠かせない視点です。
環境負荷物質(SOC)の削減に取り組む
環境負荷物質(SOC)とは、人間の活動や産業プロセスによって生まれた有害物質で、自然環境や人体に有害な影響を与えるとする化学物質の総称のことです。「EU RoHS指令」や「ELV指令」で特定の物質が規制されています。
環境負荷物質(SOC6物質)
- 鉛およびその化合物
- 水銀およびその化合物
- カドミウムおよびその化合物
- 六価クロムおよびその化合物
- ポリ臭化ビフェニール
- ポリ臭化ジフェニルエーテル
環境負荷物質(SOC4物質)
- フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
- フタル酸ジ-n-ブチル
- フタル酸ブチルベンジル
- フタル酸ジイソブチル
ディスプレイの材料には、環境負荷物質が含まれていることがあります。最近では、環境負荷物質の排出量を抑えた素材の選定や、無溶剤型接着剤・低VOC塗料の使用が進められています。こうした取り組みは、環境負荷の低減だけでなく、店舗で働く人や訪れる顧客の健康を守るうえでも大切です。安全性と環境性能を両立させたディスプレイづくりが求められています。
ロイヤルが取り組む環境に配慮した店舗ディスプレイ
ロイヤルでは、環境への悪影響をもたらす環境負荷物質の規制への取り組みを加速しており、安心・安全な「グリーン製品」の普及を推進しています。
また、環境負荷物質(SOC6物質)については、専用機器による定期的な測定と管理を実施し、厳格な品質管理体制を整えています。
さらに、ロイヤルの環境に配慮した店舗ディスプレイは、万博のパリパビリオン内でも一部使用されており、万博が掲げる「持続可能性」の方針にも貢献しています。
まとめ
今回は、大阪・関西万博でもテーマとして掲げているサステナブルについて、店舗の目線から解説しました。
持続可能な社会を実現するには、個人はもちろん、企業としても働きかけが必要です。
お店の場合は、店舗ディスプレイは、環境負荷を与えている可能性があります。持続可能な社会の実現に向けて、店舗ディスプレイも環境負荷物質が使用されていないグリーン製品を選びましょう。