店舗でできる地震対策とは?地震発生時の対応や保険・安全な商品陳列方法を解説
2026.10.06その他店舗でできる地震対策とは?地震発生時の対応や保険・安全な商品陳列方法を解説
営業中に地震が発生すると、商品や棚の転倒・落下、ガラスや瓶などの破損によってお客様や従業員がケガをするおそれがあります。そのため、商品や装飾品が落ちないようにする、商品棚が倒れないようにするといった対策が重要です。
この記事では、地震に備えて店舗でできる安全対策・防災対策について詳しく解説します。地震発生時に取るべき行動や防災マニュアル、地震被害に備える保険のほか、安全な商品陳列方法、商品棚やディスプレイの地震対策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
店舗でできる地震対策とは
まずは、地震に備えて店舗でどのような対策を行っておく必要があるのかを見ていきましょう。
店舗周辺の情報を確認する
事前に店舗周辺の情報を確認しましょう。災害発生時の避難場所は各自治体が公開している避難場所リストや防災情報、ハザードマップなどで確認できます。どこに避難すべきかを事前に把握しておくと、いざというときにすぐに行動できるでしょう。
また、地震によって津波や土砂災害などが発生する可能性もあるため、店舗周辺でどのような災害リスクが予想されるかをチェックしておくことも重要です。国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」で店舗周辺の状況を確認しましょう。
参考:
設備を定期的に確認し地震対策を行う
突然発生する自然災害に備えて、日頃から定期的に店舗内の設備を確認し、徹底した対策を行いましょう。具体的には、消火器や警報設備、懐中電灯などを定期的に点検し、いざというときに使用できるようにしておきます。
また、落下・転倒の危険がある商品棚を固定・補強する、ケガにつながりやすい商品や破損しやすい商品の陳列の仕方を工夫するといった対策も重要です。
避難経路を把握する
地震などの自然災害が発生したときに慌てず安全に避難できるよう、事前に避難経路を把握しておくことが重要です。商業施設に入っている店舗の場合は、施設内の避難経路や非常口の場所も確認する必要があります。災害時に混乱せず、お客様を安全に誘導できるよう、従業員全員が避難経路や非常口の場所を把握しておくことが必要です。非常口までたどり着けないことも想定し、一時的な安全を確保できる場所に関しても常に頭に入れておきましょう。
また、通路にものを置かないようにしましょう。商品入荷時やイベントなどで通路にものがあると、緊急時に支障をきたします。通路や避難経路、非常口付近にはものを置かず、いつでもスムーズに避難ができるようにしておきます。さらに、地震で倒れる可能性がある什器が避難経路にある場合は、移動したり壁に固定したりするなど事前に対策をしておきましょう。
防災グッズを用意する
店舗では、災害に備えて防災グッズを備蓄しておくことが重要です。災害時に必要なものをすぐに使用できるよう、保管場所を決めて従業員に共有しておきましょう。
また、防災グッズは用意して終わりではありません。食料や水の賞味期限、備品の状態などを定期的に点検し、必要に応じて交換・補充することが大切です。
防災マニュアルを作成する
地震が発生すると、店内が混乱し、二次災害につながるおそれがあります。そのため、どのように行動すればよいかをまとめた防災マニュアルを作成することが重要です。従業員全員に共有して、いざというときに落ち着いて安全に行動できるよう備えましょう。
防災マニュアルには何を記載する?
店舗の防災マニュアルには、地震発生時に従業員が適切に行動できるよう、以下のような内容を記載しておきましょう。
- 地震発生時の初動対応
- 従業員の役割分担
- お客様の安全確保や避難誘導の方法
- 負傷者が発生した場合の対応
- 避難場所や避難経路
- 従業員の安否確認や連絡方法
- 避難後の再入館や営業再開の判断基準
また、想定されるリスクは店舗の業種や設備によって異なります。小売店では商品棚の転倒や陳列商品の落下、飲食店では火気・熱源や厨房設備に起因する火災などを想定し、必要な対応をマニュアルに盛り込むことが大切です。
防災マニュアルは作成して終わりではありません。内容を定期的に確認して見直すとともに、地震を想定した訓練を実施し、実際の災害時に従業員がマニュアルに沿って行動できるよう備えておきましょう。
防災担当者を決めておく
地震発生時に指示を出す責任者がいないと、どのように行動すればよいか分からず店内が混乱してしまうため、防災担当者を決めておきましょう。
また、防災担当者がいないときの代理担当者や消火係、誘導係も決めて訓練を実施しておくと、いざというときにスムーズに対応できるようになります。
店舗の地震被害に備えられる保険はある?
企業向けの火災保険では、原則として地震・噴火・津波を原因とする損害は補償の対象外です(地震火災費用保険金など、一部の費用が支払われる場合はあります)。
店舗の地震被害に備えるには、地震による損害を補償する特約(名称は保険会社によって異なります)を火災保険に付帯したり、企業向けの地震補償商品に加入したりする方法があります。
また、住宅向けの地震保険は、居住用の建物と家財を対象とした保険です。そのため、店舗や事務所のみに使用されている建物や、営業用の什器・備品、商品などは補償の対象になりません。なお、店舗兼住宅の場合、建物は地震保険の対象になる一方、商品や什器は対象外となります。店舗の地震被害に備える場合は、事業用の保険を検討しましょう。
ただし、地震に関する特約や補償商品の補償対象・範囲・条件は、保険会社や商品によって異なります。店舗の建物だけでなく、設備や什器、商品など、必要な補償を受けられるか確認したうえで加入を検討することが大切です。
また、テナントとして店舗を借りている場合も、地震によって店舗内の事業用財産が損害を受ける可能性があります。建物を所有していない場合でも、設備や什器、商品などの損害に備えられる保険や特約への加入を検討するとよいでしょう。
店舗で地震が発生したときに取るべき行動
営業中の店舗で地震が発生した場合は、従業員自身の身を守るとともに、お客様の安全にも配慮する必要があります。地震発生時に慌てず対応できるよう、揺れている間から避難までの基本的な行動を確認しておきましょう。
揺れている間は身の安全を確保する
地震による強い揺れを感じたら、まずは身の安全を確保しましょう。店内では、商品や装飾品の落下、什器の転倒、ガラスの破損などが発生するおそれがあります。
慌てて外へ飛び出したり無理に移動したりせず、落下物や転倒するおそれのあるものから離れ、頭部を守ります。従業員は自分の身の安全を確保しながら、お客様にも落ち着いて身を守るよう声をかけましょう。
揺れが収まったら店内の状況を確認する
揺れが収まったら、従業員やお客様に負傷者がいないか確認します。あわせて、火災の発生や什器の転倒、商品の落下・破損など、店内に危険な場所がないか確認しましょう。
飲食店など火気を使用する店舗では、揺れが収まった後、火元や厨房設備に異常がないかも確認します。強い揺れの最中に無理に火を消しに行くのではなく、まずは身の安全を確保することが重要です。
また、安全に避難できるよう、避難経路や非常口が什器や落下物などでふさがれていないか確認しましょう。
必要に応じてお客様を安全な場所へ誘導する
地震の規模や店舗周辺の被害状況、自治体などから発信される避難情報を確認し、安全な場所への避難が必要と判断した場合は、お客様を誘導します。避難時に従業員ごとの判断で行動すると、店内が混乱する可能性があります。事前に作成した防災マニュアルや役割分担に沿って、従業員同士で連携しながら対応しましょう。
商業施設などにテナントとして入居している店舗では、自店舗のマニュアルだけでなく、施設全体の避難方法や指示系統についても事前に確認しておくことが大切です。
店舗に備えておきたい防災グッズ
大規模な地震が発生すると、ライフラインや公共交通機関が停止し、従業員やお客様が店舗にとどまることも想定されます。ここからは、地震などの自然災害に備えて、店舗に備蓄しておきたい防災グッズをご紹介します。
基本の防災グッズ
地震の規模によっては自宅や避難場所へ避難できず、安全が確保されるまで店舗内にとどまる場合もあります。電気・ガス・水道が停止し、食料を調達できない可能性もあります。従業員が店舗内にとどまる場合に備え、水や食料、毛布などの防寒具、簡易トイレなどの防災グッズを備蓄しておきましょう。東京都帰宅困難者対策条例では、事業者に対して従業員3日分の備蓄を努力義務としています。また、来店中のお客様が一時的にとどまる可能性も考慮し、従業員分に加えて10%程度多めに備えておくと安心です。
そのほか、停電時や夜間の避難に使える懐中電灯、情報収集に役立つラジオなども備えておきます。
参考:
帰宅困難者向けの防災グッズ
大規模な地震によって公共交通機関が停止した場合は、むやみに移動を開始せず、安全な場所にとどまることが重要です。そのうえで、安全に帰宅できる状況になったときに備え、徒歩での帰宅をサポートするグッズも用意しておきましょう。
具体的には、帰宅経路を確認できる地図や懐中電灯、モバイルバッテリー、歩きやすい靴、雨具などが挙げられます。帰宅する際は、交通機関の運行状況や道路の被害状況など、最新の情報を確認したうえで行動することが大切です。
安全な商品陳列の方法
地震による被害のリスクを少しでも軽減するために、日頃から店舗の陳列方法を意識することが大切です。ここでは、店舗における安全な陳列のポイントをご紹介します。
重いものは下に陳列する
商品棚やディスプレイに陳列するときは、大きい・重いものほど下に陳列し、小さい・軽いものを上に陳列することを意識しましょう。重いものを上段に置くと、棚を補強していても重さに耐えられず、落下事故につながるおそれがあります。重いものを下段に置いて棚の重心を下げることで、棚が倒れにくくなります。
酒瓶の商品棚には紐や止め金具を付ける
酒瓶は割れもののため、落下するとガラスの破片が飛び散ってケガをしてしまう危険があります。そのため、酒瓶を陳列している商品棚には、地震によって商品が倒れたり飛び出したりしないよう、紐や止め金具を付けて補強することが重要です。
また、大きな瓶や高さのある瓶は、なるべく棚の下段に陳列するといった工夫も大事なポイントです。
過剰な積み上げは行わない
商品を陳列する際は、必要以上に高く積み上げないようにしましょう。商品を高く積み上げると、地震の揺れによってバランスが崩れ、商品が落下・崩落するおそれがあります。
特に通路やレジ周辺など、お客様や従業員が通る場所では、落下した商品がケガの原因になったり、避難経路をふさいだりするおそれがあります。地震発生時の安全性を考慮し、安定した状態で陳列することが大切です。
耐荷重を守る
商品棚や陳列棚には、それぞれ耐荷重が定められています。耐荷重を超えて商品をのせると棚板や棚自体が破損するおそれがあり、商品の落下やケガにつながる可能性があります。
平常時には問題がないように見えても、地震の揺れによって棚に負荷がかかることも考えられます。使用している棚の耐荷重を確認し、その範囲内で商品を陳列しましょう。
商品棚やディスプレイの地震対策
地震で商品棚やディスプレイが転倒したり、商品が落下したりすると、ケガや避難の妨げにつながるおそれがあります。ここでは、商品棚やディスプレイで役立つ地震対策をご紹介します。
棚やブラケットを補強する
地震の揺れによって棚板やブラケットが外れないよう、棚押さえパーツやブラケット抜け止めパーツなどを活用して補強しましょう。適切な安全対策パーツを取り付けることで、棚板の落下やブラケットの抜け落ちによる事故のリスクを軽減できます。
装飾品やボックスには地震対策パーツを付ける
棚を固定・補強していても、棚からの落下物によってケガにつながるおそれがあります。そのため、棚にのせている装飾品やボックスには、揺れや転倒を抑える地震対策パーツを付けておくと安心です。たとえば、粘着性セフティクッションシールやこぼれ止め線材などを取り入れることで、商品のずれや転倒、落下の抑制が期待できます。
棚に滑り止めシートを敷く
食器やガラス製品などの割れやすい商品を置いている棚には滑り止めシートを敷きましょう。商品が棚の中でずれないよう安定させることができ、落下だけでなく、破損のリスクを軽減できます。
また、棚がガラス棚の場合、大きな地震の揺れや強い衝撃が加わると割れる可能性があります。そのため、ガラス棚には飛散防止フィルムを貼っておきましょう。飛散防止フィルムを貼ることで、万が一ガラスが割れた場合も破片の飛散を抑え、ケガのリスク軽減につながります。
そのほか、棚の高所には割れものを置かないといった配慮をすることで事故のリスクも抑えられるでしょう。
落下防止バー・棚前ガードなどの安全対策パーツを設置する
地震の揺れによって商品が棚から飛び出したり落下したりするのを防ぐため、落下防止バーや棚前ガードなどの安全対策パーツを設置する方法もあります。
特に、瓶や食器などの割れやすい商品や、落下すると危険な箱物などを陳列する棚には、落下防止バーや棚前ガードなどを活用し、商品の落下を防ぐ対策を取り入れましょう。
地震による棚板の落下や商品の飛び出しは、売り場でのケガや避難経路の妨げにつながるおそれがあります。ロイヤルでは、棚板やブラケットのはね上がりや転倒の抑制に役立つパーツをはじめ、店舗用の安全対策パーツをご用意しています。セルフでできる対策とあわせて取り入れることで、店内の安全対策をより強化できます。店舗の業種や陳列する商品に合わせた安全対策は、ぜひロイヤルにご相談ください。
まとめ:もしものときのために備えておこう
今回は、店舗でできる地震対策についてご紹介しました。地震による被害を軽減するには、商品棚や什器の転倒・落下対策だけでなく、防災グッズの備蓄や防災マニュアルの作成、地震発生時の対応方法の確認など、日頃から備えておくことが重要です。
また、地震による建物や設備、什器、商品などの損害に備え、必要に応じて保険への加入も検討しましょう。定期的に店舗の地震対策を見直し、従業員やお客様の安全を守れるよう備えておくことが大切です。


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