ヒヤリハット報告の重要性とは?職場に定着させるための工夫をご紹介

2018.09.18店舗の安全管理
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ヒヤリハット報告の重要性
近年注目されるようになってきた「ヒヤリハット」という言葉。最近では、さまざまな企業や店舗でヒヤリハット報告が実施されています。事故の一歩手前といえるヒヤリハット事例を知っておくことは、大きな事故を予防するためにも注目しておく必要があります。

そんな事故予防に効果的なヒヤリハット報告ですが、環境や報告ルールを整えておかないと、うまく機能しません。ヒヤリハット報告を有効活用するには、報告する側、報告を受ける側の双方が注意すべき項目があります。
今回は、ヒヤリハット報告を有効活用して事故予防に役立てる方法をご紹介します。

ヒヤリハットとは?

ヒヤリハットとは?
ヒヤリハットとは、一歩間違えば重大な事故に発展していた可能性のある、危険な出来事のことです。
たとえば、「商品を運ぶ際に手をすべらせて落としそうになったが、ギリギリのところで床に落とさずに済んだ」といった場合や「店舗内の段差でつまずいて転びそうになったが、商品の棚につかまってなんとか転ばずに済んだ」といった場合などが、ヒヤリハットにあたります。このようなヒヤリとした体験や、ハッとした体験が元となることから、「ヒヤリハット」と呼ばれています。

ヒヤリハットの重要性を認識する

ヒヤリハットの重要性を認識する
ヒヤリハット事例は、最終的には事故に発展していない事例です。だからこそ、当事者はその報告を軽視しがちです。「今回の事例はたまたま起こった」「注意していれば大丈夫」といった意識もあるので、報告するまでもないと考えてしまうことも多くあります。

また、ヒヤリハットの報告書を書くことが面倒だと感じ、ヒヤリハット報告を怠ってしまうケースもあることでしょう。しかし、前述したようにヒヤリハット報告は起こりうる事故を予防するためのもの。そのため、できるだけ多くの事例を報告してもらうことが必要です。「事故にならなかったから大丈夫」ではなく、起こったヒヤリハットと今後起きる可能性のある事故について考えることが大切なのです。

だからこそ、些細なヒヤリハットであってもまず報告するよう、従業員に報告ルールの徹底を促しましょう。

誰もがヒヤリハット報告をしやすい職場にするためには

ヒヤリハット報告をしやすい職場にするためには
未来の事故予防につながるヒヤリハット報告。しかし、ヒヤリハットはそもそも報告が提出されないケースがあります。提出されない理由はいくつかありますが、報告することでヒヤリハット事例が明るみになり、上司から叱責される、立場が悪くなるといった、報告が個人にとってマイナスに働く恐れがあることが1つの原因であり、問題となっています。

ヒヤリハット事例は事故の一歩手前であり、実際に事故が発生したわけではありません。加えて、報告することで発生の原因を明確にし、どうすれば予防できるのかを検討することができます。にもかかわらず、報告したことで叱責されたり、査定に影響したりといった従業員にとって不利益な出来事が発生するのであれば、ヒヤリハット報告がされなくなってしまうことは当然だといえます。

店舗運営責任者や、上司の方は、ヒヤリハット報告について周知をする際などに「報告を行うことによって、報告者に不利益が生じることはない」と明言し、部下がヒヤリハット報告を提出しやすい環境をつくるようにしましょう。

ヒヤリハット報告を定着させるための工夫

ヒヤリハット報告を定着させるための工夫
ヒヤリハット報告を職場に定着させるためには、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、従業員にヒヤリハット報告をしてもらうための工夫を3つご紹介します。

ヒヤリハット報告者にプラス評価やボーナスを与える

上述した、ヒヤリハット報告による不利益が生じないことを明言するべきというのは、最低限行うべきことです。従業員により積極的にヒヤリハット報告をしてほしいと考えるなら、ヒヤリハット報告をした従業員に対して、プラスの評価や報奨金を与えるといった制度を作ってみてはいかがでしょうか。
人事査定時にヒヤリハットに関する話をするほか、「10回報告で500円、100回報告で10,000円のボーナス支給」などの報奨金制度を策定するのも、従業員のモチベーション向上に役立つでしょう。

責任者や上司が率先してヒヤリハット報告をする

責任者や上司が率先してヒヤリハット報告をする
店舗運営責任者や上司自らが率先してヒヤリハット報告を行い、誰もが報告しやすい雰囲気にすることは、非常に効果的です。

単純に、報告件数が増えることで「自分も報告しよう!」と意識してもらえるほか、自身の上司にあたる人間がヒヤリハット報告をすることで「どんな立場の人でもヒヤリハットに遭遇することはある、だから自分がヒヤリハットに遭遇するのも珍しいことではない」と思ってもらい、報告に対する心理的なハードルを下げる効果も期待できます。

報告書のフォーマットを簡単にし、見本をつける

ヒヤリハット報告を行うこと自体に抵抗はなくても、文章を書くことやパソコンでの入力が面倒で報告を避ける従業員もいるかもしれません。そういった人のために、報告書のフォーマットはできるだけ項目を細分化し、どこに何を書けば良いのか、誰にでもひと目で分かるようにしておきましょう。

記述式ではなく、できる限り選択式で記入するようにすると、報告する側と報告を受ける側の双方にとって、より分かりやすくかつ間違いがなくなります。

たとえばヒヤリハットの発生箇所の項目ならば、「発生箇所」とだけ書き、その下の余白に記述させるようにするよりは、「売場」「バックヤード」「店舗出入り口」「店舗駐車場」「その他」などの選択肢をあらかじめ印刷しておき、報告者が該当箇所に◯をつければ良いだけの状態にしておけば、報告書の記入が簡素化できます。報告書をExcelで作成する場合は、プルダウンリストで選択できるようにしても良いでしょう。

また、記入方法が分からなくて不安という人もいるかもしれません。記入例を書き込んだものを作っておき、報告書の裏面などに印刷しておくことをおすすめします。Excelの場合は、同一ファイルの別シートに記入例をいくつか作成しておくと良いですね。

まとめ

事故予防に効果的なヒヤリハット報告ですが、報告する側、受け取る側双方の問題からなかなか有効活用できないケースもあります。起こりうる店舗での事故を未然に防ぐためにも、ヒヤリハット報告をしやすい環境をつくり、また一人ひとりが意識するようにしましょう。

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タグ : 事故 防止 ヒヤリハット 事故防止 ヒヤリハット報告
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