4S活動とは?職場の安全管理を徹底する方法をご紹介

2018.10.01店舗の安全管理
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4S活動とは?小売業における労働災害予防活動の代表的なものとして、厚生労働省は「4S活動」を推進しています。
4Sとは、頭にSのつく「整理、整頓、清掃、清潔」という4つの言葉のこと。この4S活動を徹底することによって、転倒や転落といった労働災害の予防対策ができます。

4S活動について理解し、活動を進め、従業員だけでなくお客様にとっても安全・安心な店舗環境を目指しましょう。

4S活動とは?

まず、4S活動とはどのようなものなのでしょうか。「整理、整頓、清掃、清潔」の4つの要素について、1つずつ解説していきます。

【1】「整理」

「整理」とは、必要なものと不要なものとを分別し、不要なものを廃棄するなどして処分することです。

バックヤードがごちゃごちゃしている、売場に不要なものがいつまでも置いてあるなど、「整理」ができていない店舗は、安全な環境とはいえません。必要なものが不要なものに埋もれてしまい見つからなくなったり、作業効率が落ちたりするだけでなく、安全に作業できるスペースがなくなる、非常時の動線の確保ができないなど、安全対策の面でも問題が発生してしまいます。

必要なものと不要なものはきちんと分別し、不要なものは廃棄して、いつでもすっきりとした状態にしておくことが求められます。

【2】「整頓」

効率的な業務のために、必要なときに必要なものがすぐに取り出せるようにしておく「整頓」を優先的に実践しましょう。

効率の良い整頓のためには、商品や什器、設備、器具、道具などがどれだけあるかをしっかりと把握し、どの場所に保管しておくのが1番効率的か、シミュレーションを重ねることが大切です。

また、保管するものにそれぞれ「住所」を割り振るだけでなく、使い終わったら必ずその場所に保管するなど、管理方法を徹底させることも意識しましょう。管理方法がはっきりしていることで、数が足りない、壊れているなどの異常が発生した際にすぐに分かるようになり、非常事態にも迅速に対応できるようになります。

【3】「清掃」

【3】「清掃」
売場やバックヤードなど、店舗内の「清掃」も大切な安全対策です。床面が濡れていたり、油などで汚れていたりすると滑りやすくなり、転倒などの事故の要因となってしまいます。

ゴミや汚れは不衛生で危険なだけでなく、従業員の労働意欲やお客様の購買意欲も削ぐものです。スーパーなどの小売業では食品衛生の観点から考えても、対策の中で特に気をつけたい項目です。

清掃の手順や割り振りなどのマニュアルを実施し、定期的にチェックを行いましょう。

【4】「清潔」

【4】「清潔」
「清潔」は、上述した「整理・整頓・清掃」が継続的に行われた状態を維持することを指します。点検表を作成し、日常点検・定期点検を繰り返して清潔な状態が保たれているかをチェックするなどします。

より注意したい箇所や改善点を発見した場合には、マニュアルを変更して周知徹底するなど、柔軟に対応しましょう。

4S活動によって得られる効果

4S活動によって得られる効果
小売業の店舗で4S活動を実施することによって、どのような効果が得られるのでしょうか。

労働災害の予防

4S活動の最大の目的は、労働災害、つまり従業員の怪我を未然に防ぐことです。
店舗内で発生する従業員の怪我は、作業環境が原因の1つとして考えられます。従業員が怪我をしてしまうと、治療費に関する労災手続きや休業中の人員補充など、さまざまな手配が必要となってしまいます。
4S活動を実施し職場の安全管理を徹底していくことにより、労働災害を減らし、上記のようなリスクを小さくすることに期待できます。

作業の効率化

4S活動を行うことにより、店舗内に無駄なものが置かれることが少なくなり、作業動線の改善を図ることができます。業務に必要な道具を探し回る時間を大幅に減らすことができるため、作業の時間短縮につながります。

労働環境の向上

4S活動により安全な職場づくりを行うことは、労働環境そのものを改善することにもつながります。煩雑に備品が置かれた汚い職場と、整理整頓がなされたきれいな職場で働くのでは、従業員のモチベーションにも差が出てくるでしょう。

4S活動の進め方

4S活動の進め方
店舗の安全対策には欠かせない「4S活動」ですが、清掃のようにすぐに始められるものだけでなく、十分な事前準備が必要なものもあります。4S活動を新たに始める際には、どのように進めていけば良いのでしょうか。

4S活動開始時に決めておくべきこと

4S活動開始時に決めておくべきこと
まずは、店舗のオーナーや店長などが、4S活動を実施すること・4S活動を実施する目的などを定め、それを従業員へ向けて周知します。
そして、4S活動の推進担当者(責任者)を決定しましょう。推進担当者は4S活動の陣頭指揮を行うと共に、従業員が判断に迷ったときの拠り所となるなどの重要な役割を担います。

「整理」の進め方

必要なものと不要なものとを分別するために、まずは掃除を行います。店舗内に置かれているものを並べ、一つ一つ必要かどうかを判断し、不要と判断したものを廃棄します。
この作業は一度行えば良いというわけではなく、定期的に行う必要があります。半年に一度、2カ月に一度など、店舗の規模などに合わせて見直し期間を設定しましょう。

「整頓」の進め方

必要なものをすぐに取り出せるような配置を決めるためには、まずは店舗内で使用しているものについて、どのようなものがどれだけあるのか、現在の配置、使用時の動線などを把握することから始めます。4S活動の推進担当者と現場の人間とで現状を分析し、新たな配置を決定すると良いでしょう。

さらに、整頓された状態をキープするために、棚などの置き場所ごとに管理担当者を決めることをおすすめします。正しい場所に置いているか、しまいやすく取り出しやすい置き方で置いているかなどのルールを遵守しているかどうかを、チェックする役割を担ってもらいます。
もちろん、管理担当者の日頃のチェックに加え、推進担当者などによる定期的なチェックも欠かせません。

4S活動を定着させる方法

4S活動を職場に定着させるためには、職場に啓蒙ポスターなどを掲示すると良いでしょう。4Sの内容(整理、整頓、清掃、清潔)がパッと見て分かるようなイラストや写真を交えたポスターを作成し、従業員の目につきやすいバックヤードや更衣室などに掲示すると、意識向上に役立ちます。

また、整理、整頓、清掃、清潔がしっかり行われているかをチェックするためのチェックシートを作成し、定期的に従業員自身にチェックをさせることも効果的です。4Sが徹底されているかどうかを自分の目で確認していくことで、職場の安全に関する意識が高まります。

まとめ

今回は、職場の安全管理を徹底するために重要な「4S活動」についてご紹介しました。
整理、整頓、清掃、清潔と聞くと、日頃当たり前のように行っていることのようにも思えますが、安全管理の観点からチェック・点検を行うと、意外とできていないことが多いものです。これまで職場で4S活動を行っていなかったという店舗でも、これを機に4S活動を始めてみてはいかがでしょうか。

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