専門家に聞く!ガラスの安全性③【フィルムを貼る】

2016.09.30専門家に聞く
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ガラス破損によるケガ防止のためには強化ガラスや合わせガラスを使用する方法がありますが、コストが高く、建物の設計当初から取り付けられていない場合には、付け替え工事が大がかりになるというデメリットがあります。

一方、ガラスにフィルムを貼るという方法があることをご存じでしょうか。ガラスの入れ替えよりも低コストで、簡単な工事で済む強化方法です。

フィルムの専門家に、どのような効果があるのか、また問題点はないのかを聞いてみました。

破片の飛散防止効果と強度の向上 。更に付加価値も

一般的なガラスフィルムは、ポリエステルフィルムにハードコートを施し、粘着剤でガラスに貼り付けられています。

ガラスフィルムは当初、住宅、オフィスビル、自動車などの遮熱を狙った製品でしたが、現在ではガラスの飛散防止、防犯、装飾、プライバシー確保へと用途が広がっています。

ガラスフィルムは、ガラスだけでは足りない安全性能や、さまざまな意匠(デザイン)性を生み出し、ガラスのメリットや魅力を高める働きがあります。

ガラスにフィルムを貼ることで、万が一ガラスが割れた場合の破片飛散を防止し、安全性が高まります。また、ガラスの入れ替えよりコストを抑えた導入が可能で、工期も短縮できるというメリットもあります。

加えてフィルムは、紫外線カット、遮熱・断熱、目隠し、防犯などの付加価値を提供できる製品です。

フィルムを貼ったガラスの取り扱いは?

フィルムをガラスに貼ることで、割れても破片が飛び散らないという大きなメリットがありますが、取り扱いに注意する点はあるのでしょうか?

フィルムを貼ったガラスは、熱割れという現象が起こすことがあります。

ガラスが日射を受けた場合、ガラスは温度が高くなりますが、サッシの中に取り込まれている部分は比較的温度は低いまま、という状態になり、温度差があまりにも大きくなると、ガラスの周辺に引っ張る力がかかりガラスが破損する場合があります。

この現象は、直射日光が当たる窓にポスターを貼るなど、一枚のガラスの中に温度差が生じる場合にも起こりますので、フィルムを貼ったガラスにはポスター掲示などを行わないことが大切です。

また、フィルムはポリエステルなどの素材でできているので、ブラシでこすって洗うと傷が付きやすく、アルカリ性の洗剤は粘着剤の変質をもたらし、劣化しやすいという注意点があります。

掃除の際には、水もしくは中性洗剤を水で薄めた液(0.1 %程度)を窓ガラスにスプレーし、濡れ雑巾や窓用ゴムワイパーで拭き取るようにすることで、フィルムの外観をより長く、きれいに保つことができます。

フィルムを貼ったガラスは、正しい手入れをしていれば長期間に渡りガラスの安全性を高め、さまざまな付加価値をもたらしてくれるものです。

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