店内を走り回る子供に潜む危険とは?店舗ができる安全対策
2024.01.24店舗の安全管理スーパーなどの販売店では、お子様連れの親子も多く来店します。中には、売り場内で走り回る子供もいますが、売り場には多くの危険があるため、事故につながる可能性があります。店舗では、どのような安全対策ができるのでしょうか。
この記事では、走り回る子供に潜む危険や店舗ができる安全対策について解説します。
売り場内の危険
売り場には、什器やフック、割れ物などお店にはぶつかったり落ちたりすると危険なものが多いです。そのため、子供が走り回ることで、商品の落下や衝突などによりケガにつながる恐れがあります。実際に売り場での事故が起こっているケースもあり、売り場を走り回るのは大変危険です。
そして、店舗には安全配慮義務が求められるため、店舗側はできるだけ店舗を利用する顧客の安全に配慮しなければなりません。
店内を走り回る子供に潜む危険とは?
では、店内を走り回ると、どのような危険があるのでしょうか。ここでは、店内を走り回る子供に潜む危険について解説します。
転倒する恐れがある
まず、子供が走り回ることで、転倒しケガをする恐れがあります。特に、床に水がこぼれていると滑りやすく、転倒もしやすいので注意が必要です。雨の日も店内の床が濡れていて、滑りやすくなり転倒の危険性が高まります。他にもスーパーであれば野菜やビニール袋などの落下物で転倒する恐れがあります。
商品棚にぶつかりケガをする恐れがある
商品棚の角が鋭く、走り回ってぶつかる可能性があります。また、商品を掛けているフックの先端が子供の目線にあり、目や顔などにぶつかる可能性もあります。商品棚やフックにぶつかると、大きなケガにつながる恐れがあるため、危険です。また、商品棚が固定されていなかったり耐久性がなかったりすると、ぶつかった衝撃で棚が倒れたり外れたりする場合もあります。
他のお客さんや店員にぶつかる恐れがある
子供が店舗内を走り回ることで、他のお客さんや店員にぶつかる可能性があります。他の方にぶつかることで、子供が転倒しケガをしたり、ぶつかった方が転倒しケガをしたりすることもあるでしょう。飲食店の場合、店員が料理を運んでいる際にぶつかればヤケドなどの大きなケガにつながる恐れがあり、危険です。
商品が破損してしまう恐れがある
走り回ることで、陳列されていた商品が落下し、破損してしまうこともあります。ガラスなどが破損してしまうと、走り回っていた子供や周囲にいる方がケガをする恐れもあります。
商品自体も売り物にできなくなってしまう可能性もあるでしょう。
駐車場での事故
お店の外にも商品が置いてある売り場もあり、駐車場も危険な場所です。お店の駐車場で走り回ると車と接触する恐れがあります。特に子供は背が小さく、ドライバーからすると死角になることもあるでしょう。大きな事故につながる危険性があるため、駐車場でも子どもの行動に注意しなければなりません。
その他、子供に対して潜む店舗での危険
走り回るだけではなく、店内にはさまざまな危険性があります。ここからは、他の危険性についても解説します。
店舗での誤飲に関する危険
キッズスペースでお絵かきを楽しんでもらおうと、クレヨンやカラフルなペンを用意している店舗も多くあります。しかし、月齢が小さなお子様は欠けたクレヨンやペンのキャップを口に入れてしまうことも。
赤ちゃんも多く出入りすると考えられる場合、小さなおもちゃや欠けたクレヨンなどは置かないようにしましょう。
キッズスペースの安全対策については、以下の記事を参考にしてください。
キッズスペース(コーナー)で子供が安心して遊べる安全対策とは?
ショッピングカートに関する危険
ショッピングカートは、ぶつかる・転落などの恐れがあるため注意しなければなりません。背の低い子供がショッピングカートを押すと、前が見えず人と接触してしまうことが考えられます。それだけではなく、ショッピングカートに誤った方法で乗り、転落してしまうケースもあります。正しい利用方法を促すようにしましょう。
ショッピングカートでの衝突・転倒事故を含む売り場で起こる事故については以下の記事でも詳しくご紹介しています。
エスカレーターでの事故
エスカレーターは、服や靴が巻き込まれたり転落したりとさまざまな事故が起こりやすい場所です。実際に、手すりの引き込み口に手が挟まれた事例や、ゴミを拾おうとした際にエスカレーターのステップと側面に指を挟まれた事例など子供のエスカレーター事故が多発しています。エスカレーターで遊ぶことは大変危険なため、注意が必要です。
エスカレーターの事故については、以下の記事で詳しく解説しています。
エスカレーター事故から子供を守るために。事故事例と注意ポイントをご紹介
転落事故
階段やエスカレーターなどの手すりに座り転落するケースもあります。また、店内にあるバルコニーの天窓部分に上り、踏み抜いて転落してしまった事故もあります。
まさかそんなことはしないだろうと、思っていても、子供は大人が思いもよらないような遊びをしだすことがあります。出入りが禁じられているエリアに子供の姿を見かけたら、店舗スタッフは声掛けするようにしましょう。
転落事故についての原因や詳しい予防対策は以下の記事でも解説しています。
店舗ができる安全対策とは
子供の安全は親が注意するだけではなく、店舗ができる安全対策もあります。トラブルを避け、お客様の安全を守るためにも大切なことです。
注意喚起を行う
ポスターや音声案内などで、注意喚起を行うようにするようにしましょう。エスカレーターや駐車場など危険が多い場所では、特に注意喚起が必要です。店員や警備員が定期的に見守るのも効果的です。
商品棚の角にクッションをつける
商品が並ぶ売り場は、ぶつかってもケガしにくい環境を作ることが大切です。商品棚の角が鋭い場合は、角にクッションをつけるか、コーナーに丸みのある商品棚を選ぶようにしましょう。また高いところには、割れ物など落ちたらケガをしそうなものを設置しないように気をつけましょう。商品棚は、棚板を棚押さえパーツで固定するとより安全性を高めることができます。
子供の目線にフックを置かない
商品の置き場にも気をつけましょう。フックは子供の目線になる位置には取り付けず、高い位置に取り付けるようにします。他にも、棚が転倒しないようしっかりと固定させるなど安定させることが大切です。ディスプレイが通路に張り出していると、進路を妨げるため、通路の邪魔にならないよう設置しましょう。また、フックの先に保護キャップをつけても安全性を高めることができます。
こまめに床掃除を行う
床が滑ると転倒する恐れがあるため、店内の床はこまめに掃除するようにしましょう。水がこぼれてしまっている箇所は、気付いたらすぐに掃除します。床をきれいな状態にしておくことで、転倒しにくくなります。店内も明るくきれいな印象になるため、こまめに掃除するようにしましょう。すぐに気付けるように、定期的に見回りをするようにしてください。
また、雨の日はマットもこまめに変えることで、床が汚れたり濡れたりするのを抑えることができます。
さまざまな事故が起こることを想定して、先回りをして対策することで、大きなケガを避けることが可能です。子供がどのような行動を取るかも考えて、売り場を作るようにしましょう。
まとめ:注意喚起を行うとともに、お店の安全対策も行う
今回は、走り回る子供に潜む店内の危険について解説しました。
売り場には、転倒や衝突といった危険が潜みます。そのため、子供が走り回ることで、ケガや事故につながる可能性があります。お店側は、こまめに掃除をしたり陳列を工夫したり子供目線にも立ち、安全対策を行うようにしましょう。
参考サイト
セコム|駐車場で子どもが事故に…!原因と事故防止対策|子どもの安全ブログ
https://www.secom.co.jp/kodomo/p/20210204.html
陳列方法のコツは?売り場で起こる子供の事故を予防しよう | 売場の安全.net
濡れ – すべる – 転倒(床の上で転ぶこと)|事故事例の詳細|建物事故予防ナレッジベース
https://www.tatemonojikoyobo.nilim.go.jp/kjkb/case_card.php?build_type[1]=1&human_type[01]=1&limit=10&order=accident_level&sort=asc&page=1&id=109
東京消防庁<安全・安心><トピックス><エスカレーターで起きる乳幼児のはさまれ事故に注意!>
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/201506/escalator.html