漏電の原因と対策は?電気事故の被害事例もご紹介

2018.08.27店舗内の危険事故
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漏電の原因と対策は?
近年は電化製品の多様化や高性能化などによって、店舗内でも電気製品を扱うことが多くなりました。そこで気をつけなければいけないのが、漏電などの電気に関する事故です。電気の事故は停電が起きるだけでなく、作業者の感電や火災を引き起こす危険性もあります。こうした電気事故の危険性は、しっかりと認識しておかなければいけません。

以下では、店舗内での電気事故の原因や被害事例、対策などについてご紹介します。

漏電の原因は?

漏電の原因
大規模な電気事故につながりかねない漏電。では、なぜ漏電が発生してしまうのでしょうか。

漏電の原因は、大きく分けると2つあります。

電線の破損

1つは、電源コードや電源プラグの破損です。電流が流れる配線を保護している絶縁ビニールなどが経年劣化や物理的ダメージによってひび割れている場合、そこから漏電が発生します。

機械や電線の水ぬれ

もう1つの原因は、水ぬれによるものです。機械や電源コードがぬれていると、絶縁状態が保たれなくなり、漏電が起こります。

漏電による事故の原因は?

漏電による事故の原因
漏電による感電・火災事故は、どのような状況で起こるのでしょうか。

感電事故の原因

漏電による感電は、漏電している機械や器具に触れることによって発生します。

弱い電流の場合は指先がしびれる程度で済みますが、電流の強さによっては人の命に関わる感電事故も起こりえます。

また、体がぬれていると電気が通りやすくなるため、手が水でぬれていたり汗ばんだりしていることが、感電の間接的な原因となることもあります。

火災事故の原因

火災事故の原因
漏電による火災は、いくつかの原因で発生します。

例えば、コンセントと電源プラグの間にホコリがたまり、これによってプラグから発火するトラッキング現象。差し込みが甘い場合など、不安定な状態だとトラッキングが起きる危険性は高まります。

ほかに、一度に多くの電化製品を使いすぎて配線に大きな電流が流れる過電流なども、火災の原因となります。

漏電による電気事故の被害事例

漏電による電気事故の被害事例
電気事故によって生じる主な被害は、感電と火災です。どちらの場合も、状況によっては死者が出ることもあります。

ここでは、ある遊戯施設と飲食店で実際に起きた、漏電による感電事故の事例をご紹介します。

スロットマシン点検中の感電(漏電)死亡事故

1つ目にご紹介する事例は、遊戯施設で発生した感電による、従業員の死亡事故です。

この電気事故は、従業員がスロットマシンの内部を点検しようとした際に発生しました。作業者がスロットマシン内部のフレームに触れた際に感電し、その場に倒れ込み、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。

ではなぜ、スロットマシン内部のフレームから、人を死に至らしめるような量の電気が発生していたのでしょうか。

実は電流をフレームへと流した犯人は、スロットマシンの下へとあふれ出ていた大量のコインだったと見られています。コインのうちの1枚がマシンの下に置かれていた電源タップと電源プラグのすき間に挟まり、そこから電気が流れ、さらには他のコインを伝わってスロットマシン内のフレームへと漏電したと推測されます。

この事例のように、一見電気事故とは無縁のように見える機械でも、管理方法や扱い方によっては人の命を奪う事故が起こりえます。高電圧の機械を扱うときはもちろん、日常的に目にしているような身近な機械を扱うときでも、細心の注意を払う必要があるのです。

故障した食品加工設備確認中の感電(漏電)負傷事故

2つ目の事例は、食品加工ラインで発生した感電による負傷事故です。

食品を加工する大型機械が故障したため従業員が確認しようとした際に、感電事故が発生しました。幸い、命に関わる事態には至らなかったものの、負傷事故の事例として報告されています。

この事故の元々の原因は、ネジの緩みでした。食品加工機械のコンセントにネジの緩みが発生したことにより、コンセント内部の配電線の一部が切れ、食品加工機械の内部モーターが焼失。その損傷によって漏電が起こり、食品加工機械が故障したのです。なお、事故発生時にアース線が接続されていなかったことも、感電事故につながった大きな要因の1つです。

「ネジの緩み」というどこでも起こりうるようなささいな不具合によっても、漏電が発生し感電事故につながることがあります。感電事故を予防するためには、細かい箇所まで定期点検することに加え、日々使用しやすくかつ目視で確認しやすいようにコンセントやアース線の配線を工夫することが重要です。

調理用オーブンの電球交換中の感電死亡事故

最後にご紹介するのは、飲食店のキッチンで発生した感電による、従業員の死亡事故の事例です。

この感電による死亡事故は、製菓・製パン用オーブンの照明交換作業中に発生しました。従業員がオーブン内の照明を交換しようとカバーを取り外した際に、誤って充電部に接触したことで感電事故が起きたと見られています。使用電力はさほど大きくない機械ではありましたが、感電時に前のめりに倒れたことから電流が長時間にわたって体内に流れたと見られ、死に至ったと考えられます。

この事故は漏電が原因となって発生したものではありませんが、このような設備の不具合や人為的なミスも感電事故の原因となりえます。事故後この店舗では、オーブンのカバーを外すと電源が落ちるように機械を改良し、安全に配慮した作業手順を定めるなどの再発防止策が作成されました。

漏電による電気事故を防ぐためには?

漏電による電気事故を防ぐためには?
漏電による電気事故を防ぐためには、まず機器を適切に接続することが大切です。

例えば「アースを接続する」「漏電遮断器を取り付ける」「1つのコンセントから多くの電源をとらない」「コードが傷つかないようにする」といったことです。上述したスロットマシンでの感電事故の例では、再発防止対策として電源タップの設置位置の変更と、漏電遮断器・アースの取り付けが行われました。

飲食店など水回りで電化製品を利用する場合は、特に注意して対策する必要があります。そして、定期的な検査を行うことも重要です。

また、電化製品を扱う作業者は、マニュアルをしっかりと読んで使い方を熟知しておかなければいけません。特に業務用の機械は家庭用のものとは違い、より複雑で危険なものです。どういった操作が危険なのか、どうすれば安全に作業できるのかを作業者へしっかりと教えておかなくてはなりません。新しい従業員が作業にあたる際には綿密な指導を行うと共に、作業マニュアルが実際の作業に沿ったものになっているかどうか、定期的に見直しを行い、改善・更新に努めましょう。

まとめ

今回は、漏電の原因と対策についてと、電気事故の事例とその対策をご紹介しました。
電気事故は、作業者自身が感電する危険があることはもちろん、火事によって多くの方を危険にさらす可能性があります。万が一の事態を起こさないよう、十分な注意が必要です。電源タップの配置やアースの接続、作業マニュアルの作成・周知など適切な漏電対策を施し、作業者への安全教育を徹底するように努めましょう。

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タグ : 飲食店 事故 対策 電気 漏電
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