駐車場で発生する事故の対策は?店舗側への責任問題についてご紹介

2018.08.20店舗内の危険事故
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駐車場で発生する事故の対策
店舗での危険といえば、転倒によるけがや荷崩れ、ショッピングカートでの衝突事故といったものが考えられます。しかし、危険があるのは店舗の中だけではありません。駐車場にも、多くの危険があります。お客様が安心して店舗を利用するためには駐車場での危険についても対策を施し、安全を確保する必要があります。

以下では、安心安全な店舗を実現するために、駐車場で発生しうる事故・事件やその対策についてご紹介します。

駐車場で発生しうる事故や事件

駐車場で発生しうる事故や事件
駐車場で発生しうる事故・事件としては、以下のようなものが考えられます。

 

車同士の接触事故

車同士の接触事故は、一般の公道でも多く発生している交通事故です。駐車場には多くの車が駐車されており、見通しが悪くなりがちなので、より接触事故が起こりやすい環境だといえます。

特に、地下駐車場や立体駐車場などの駐車場は、昇り降りが必要なため車が変則的な動きをすることが多いことに加え、照明がついていたとしても屋外駐車場に比べると暗く、視認性が低いといった危険性をはらんでいます。このような特殊なつくりの駐車場は、明るく平坦な公道に比べて接触事故の危険性がとても高いといえます。

出入り口の歩行者との接触事故

車同士の接触のほか、車と歩行者との接触にも注意が必要です。歩行者との接触は、特に駐車場の出入り口で発生しやすいといえます。

出入り口周辺の見通しが良ければいいのですが、駐車場の立地や設備によっては左右の状況が確認しにくい場合もあります。また、見通しが悪いと歩行者からも車の有無が判別しにくいことも。このような場合、車の出庫時に歩行者と接触する危険性があるのです。

店舗側の設置物による事故

店舗側の設置物による事故
店舗の駐車場で発生しうるのは、車がらみの事故だけではありません。店舗側で設置している物が原因で、お客様が負傷する事故が発生する可能性もあります。

例えば、駐車場敷地内のフェンスが劣化などの原因で突然倒れ、フェンスに当たったお客様がけがをしたり、車に当たってキズ・へこみなどができてしまったりした場合などが、これにあたります。

また、駐車場の敷地内に積んであったダンボールが、お客様が横を通った際に倒れてしまい、けがをした場合なども同様です。商品梱包用のダンボールは頑丈に作られているものも多いため、中の商品が重くなくても当たりどころが悪ければ大けがにつながることもありえます。

駐車中の車からの盗難事件

駐車中の車からの盗難事件
店舗の駐車場では事故のほか、駐車場に停車している無人の車の中から金品を盗む盗難事件も多く発生します。このような盗難事件は、車上狙いや車上荒らしなどと呼ばれます。

警察庁が公表している犯罪統計資料によると、2015年の車上狙いの認知件数(発生件数)が65,023件だったのに対し、2016年は59,974件、2017年は54,768件と年々減少してはいます。ただ、減少傾向にあるとはいっても、54,768(件)÷365(日)=150です。全国で1日に150件もの車上狙いが発生していると考えれば、決して少ない数ではありません。

車の接触事故だけでなく、駐車中の車を狙った盗難事件が起きにくい環境を整備することも、お客様の安心・安全な買い物につながります。

駐車場の安全対策

駐車場の安全対策

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駐車場内での接触事故への安全対策

駐車場の安全対策としてできることは、まずミラーの設置があげられます。接触事故の多くは周囲の状況が確認できないことから発生するため、交差点や角など見通しが悪い場所にミラーを設置することで環境改善が図れます。

駐車場出入り口付近での接触事故への安全対策

出入り口で起こる接触事故の安全対策としては、入出庫安全表示システムの導入があげられます。入出庫安全表示システムを導入すると、駐車場の出入り口に設置したセンサーが、車が近づいたことを察知してランプを点灯させたり音を鳴らしたりして、周囲に車の存在を知らせてくれます。これにより、歩行者は入出庫する車があることを知ることができます。

車上狙いへの安全対策

車上狙いなどの盗難事件への安全対策としては、防犯カメラや照明の設置があげられます。車上狙いは人目につきにくい環境で起きやすいため、死角をできるだけなくすことが重要です。照明を設置することで夜間でも人目につきやすく、防犯カメラによってさらに死角をなくすことができます。赤外線センサーなども設置しておくと、防犯レベルがより高くなります。

このような安全対策をしっかりと施すことで、お客様は気持ち良く買い物ができるようになります。

駐車場での事故や事件の責任は店側にもある?

駐車場での事故や事件の責任は店側にもある?
もし駐車場で事故や事件が発生してしまった場合に、店舗側に事故の責任が問われることはあるのでしょうか。

必ず責任が発生するわけではない

店舗の駐車場は私有地です。私有地内で起きた事故や事件は、基本的には所有者・管理者の責任となります。

しかし、店舗の駐車場内で事故や事件が起きたからといって、必ずしも店舗側に責任が発生するわけではありません。

例えば、加害者が駐車場内で急発進したことにより被害者の車に追突した接触事故などのように、明らかに加害者の不注意が事故の原因だと認められるような場合には、店舗側への損害賠償請求が発生することはまずないでしょう。

店舗側に責任が生まれる場合は?

駐車場内の事故や事件が発生したときに、駐車場の設備や管理状態に不備があった場合は、店舗側の管理責任が追求される可能性は大いにあります。

見通しの悪い駐車場の出入り口で事故が発生した場合や、駐車場内の照明が極端に少なく視認性が低い場所で事故や事件が発生した場合などは、店舗側の責任が問われる可能性があるといえるでしょう。

また、過去に接触事故が多数発生している場所や、車の出入りが頻繁で危険性の高い場所に交通整理の人員を配備していなかった場合にも、店舗側の管理責任が問われる可能性があります。

駐車場の看板に「事故には責任を負いません」と掲げていれば責任は問われない?

駐車場内に設置している看板に「店舗利用者以外の駐車禁止」や「駐車中のエンジン停止のお願い」などと共に「駐車場内での事故・盗難などにつきましては、一切責任を負いません」といった注意書きが記載されている場合もあるかと思います。

このように、店舗側では責任を負わないことを明記していれば、万が一駐車場内で事故や事件が発生した場合にも、店舗側の責任を問われずに済むのでしょうか。

答えはNoです。消費者契約法の第8条において「事業者が義務を果たしていなかったことによって消費者に生じた損害について、賠償責任の全てを免除する注意事項はすべて無効となる」ことが定められています。つまり看板にどのような注意書きがしてあったとしても、駐車場の設備や管理状態の不備によって事故・事件が発生したと認められれば店舗側の責任問題が問われ、損害賠償請求が行われる可能性があるのです。

このような看板の文言は、あくまでも駐車場利用者に対して車の施錠や貴重品携行、最低限の安全管理などを促す注意喚起のためのものとして考えましょう。

まとめ

今回は、スーパーなどの店舗に併設された駐車場での事故・事件についてご紹介しました。

駐車場では、車同士の接触事故だけでなく、歩行者との接触事故や車上狙いなどの盗難事件なども発生することがあります。店舗側の管理や設備の状態などに不備があったことが事故・事件の原因と認められれば、店舗側の責任問題にもなりかねません。駐車場で事故や事件が発生することのないよう、適切な防犯システムや設備を導入し、安全対策を万全にしておきましょう。

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タグ : 駐車場 事故 安全 対策
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