子供の車内放置は厳禁。置き去りの危険性と事故事例について

2019.01.07子どもとのお買い物Q&A
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子供と車で買い物などに出かけた際、「子供を車に置いていっても大丈夫かな?」と考えた人は少なからずいるのではないでしょうか。

「ほんの5分足らずだから……」、「チャイルドシートから降ろしたり乗せたりが面倒くさい」、「よく眠っていたから、起こすのがかわいそう」など、わざわざ子供を車から降ろして買い物に行くのをためらってしまう場面はさまざまです。そのようなとき、果たしてどうするべきなのでしょうか。

今回は、子供の車内放置の危険性と事故事例をご紹介します。

 

子供の車内放置は厳禁!子供を車に残す危険性

結論から述べるとたとえ短時間であっても子供だけを車内に残すことはしてはいけません。

 

昼寝から目覚めた子供がパニックになってしまう

たとえば、子供がよく眠っていたとしても、車を離れている間に目を覚ましてしまうかもしれません。目を覚ましたら保護者がおらず、1人で置き去りにされている状況にパニックを起こす可能性も考えられます。

パニックを起こして暴れ、怪我をするかもしれませんし、車の外に出てしまって事故や事件に巻き込まれるかもしれません。不安感から腹痛を訴えたり、置き去りにされたトラウマによって車でのお出かけを嫌がるようになったりといった、精神的な面での悪影響が起こることも考えられます。

 

夏以外でも車内で熱中症になる可能性が

パニックを起こさなかったり、目を覚まさなかったりしたとしても、熱中症の危険性があります。

真夏の炎天下はもちろんのこと、涼しい季節であっても車内の温度は上がりやすく、外気温が20℃ほどでも車内温度が50℃にまで上昇することがあります。

 

赤ちゃんや子供は体温調節機能が未発達です。ごく短時間で体温が上昇してしまいます。眠っていれば体温を下げようと余計に汗をかくためあっという間に脱水症状を起こし、熱中症になってしまいます。特にチャイルドシートに座っている子供は背中に汗をかきやすく、熱がこもって体温が上がりやすいため、熱中症のリスクが高まります。

ほんの5分や10分の間に体調が急激に悪くなり、熱中症になる可能性も考えられるのです。

 

また熱中症の危険性は、エアコンをつけていても変わりません。夏場、日当たりの良い場所などではエアコンの効きが悪い場合もありますし、エアコンがある程度効いていたとしても日差しがちょうど子供に当たってしまっていれば体温はどんどんと上昇してしまいます。また、途中でエンジントラブルが起きたり、ガス欠になったりしてエアコンが止まってしまう可能性もあるのです。

 

連れ去りのリスクはゼロではない

連れ去りなどの犯罪の被害に遭うリスクもゼロではありません。子供だけで車の中にいる状況は、連れ去り犯にとっては格好の標的となります。立体駐車場などの人目につきにくい場所であればなおさらでしょう。

小さな子供なら、連れ去り犯の「お母さんに頼まれたからカギを開けて」という言葉を信じて車のドアのカギを開けてしまうかもしれません。また人目がない場所ならば、窓ガラスを割ればあっという間に子供を連れ去ることができるのです。

 

ほんの10分でもダメ!児童虐待とみなされるケースも!?

子供の車内置き去りは、絶対にやってはいけないことです。「ほんの10分だけ……」と車に子供を残して、子供が熱中症などで亡くなってしまう事故が絶えません。すぐに車に戻るつもりだったとしても、セールに目を奪われお買い物に夢中になってしまったり、知り合いに偶然会って話し込んでしまったりといったことも考えられます。「うちは大丈夫」と思ってしまいがちですが、例外はありません。

子供の車内置き去りが発見された場合、「児童虐待」とみなされてしまうケースもあります。取り返しのつかないことになってから後悔しないよう、必ず子供を連れて車から出るように気をつけましょう。

 

また、お店の駐車場などで車内に置き去りにされている子供を発見した場合は、できる限り店員や警備員、あるいは警察に連絡をしましょう。「すぐに親が戻ってくるのかもしれない……」、「やりすぎなおせっかいかもしれない……」と考えてしまうかもしれませんが、その一報で子供の命が助かるケースもあるのです。車内にいる子供が泣いていたり、汗をかいて苦しそうな様子であったりする場合は、迷わず一報入れてください。

 

車内置き去りによる事故事例

毎年のように起きている乳幼児の車内置き去り事故。ここでは、車内置き去りによる死亡事故事例を2件ご紹介します。

 

夏場の駐車場での幼児死亡事故

7月に遊戯施設の駐車場で発生した死亡事故事例です。

子供を車内に置き去りにして遊戯へ出かけた保護者が1時間半後に車に戻ると、1歳の男児が口から泡を吹き、ぐったりとしていました。元々は20分ほどで戻るつもりが、遊戯に夢中になっているうちに1時間半が経過していたといいます。

季節が夏だった上に、駐車場所が日なたであったことなどから、事故当時の車内温度は50℃ほどだったと推定されています。

 

春先に起きた長時間の置き去りによる乳児死亡事故

2つ目にご紹介するのは4月下旬、周辺地域の最高気温は21℃という状況で起きた、熱中症が原因と見られる死亡事故事例です。

飲食店やホームセンターなどが集まる商業施設の駐車場で、生後3カ月の乳児がぐったりした状態で発見され、病院へ搬送された後死亡が確認されました。乳児は午後2時半から6時半までの4時間ほど、エアコンを切った車内に置き去りにされていたそうです。

車を運転していた保護者は1時間おきに様子を見にきていたと証言しているようですが、子供の異変に気がつくことはできなかったようです。

 

車内放置をしないための対策は?

では、子供を車内放置しないためにはどのような対策をすれば良いのでしょうか。

自分以外にも子供を見てくれる大人に同乗してもらう

銀行へ寄ってお金をおろした後に買い物をして、クリーニング店へワイシャツを受け取りに行って知人の家を訪ねて……などのように、複数の場所へ立ち寄るような場合は、家族や友人などに付き合ってもらえば子供を車内に残したまま用事を済ませられます。

車内に大人が複数人いれば、1人が買い物や用事のために車から降りても、他の人が子供を見ているので安心ですね。

 

車を離れる際は必ず子供を連れて行く

自分が車から降りる際は、必ず子供も一緒に連れて行くことが最善の方法です。

「子供が寝ているから起こしたらかわいそう」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、車内に置き去りにして子供が熱中症になったりパニックになったりしたほうが、よほどかわいそうです。車内放置を発見した人が警察へ通報し厳重注意を受ける可能性があることも考え、「短時間でも子供を車内に置き去りにするのはいけない」という認識をしっかり持ちましょう。

 

まとめ

今回は、子供の車内放置の危険性と事故事例、車内放置をしないための対策についてご紹介しました。

体温調節機能の低い赤ちゃんや子供は、夏以外の季節でも車内で熱中症になる可能性が高く、連れ去りなどのリスクもあるため、車内に子供を置き去りにするのは大変危険な行為です。ほんのわずかな時間でも、子供がすやすや眠っていたとしても、子供の命を守るためにも車内置き去りは絶対にしないようにしましょう。

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タグ : スーパー 駐車場 赤ちゃん 子ども 事故対策
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