外出中に雷が鳴ったら「雷しゃがみ」を!落雷の事故事例もご紹介

2020.01.20買い物中の事故・災害
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外出中に雷が鳴ったら「雷しゃがみ」を!

天気予報では晴れでも、突然黒い雲が空を覆って激しい雨が降り出すことがありますよね。そんなとき怖いのが、雷災害です。

特に夏はただでさえ雷が多く発生する季節。雷の落下によってケガをし、最悪の場合死に至るおそれもあります。

そこで今回は、突然の雷を安全にやりすごすための対処方法や雷がきたときにやってはいけないことについてご紹介します。

雷が発生しやすい季節・地域は?

雷は年中発生する可能性はありますが、中でも夏(6月~8月)の時期、特に8月が最も発生しやすいとされています。その数は、冬(12月~2月)のおよそ100倍の数ともいわれています。

また、夏は関東・中部・近畿を中心とする広い範囲で雷が発生しますが、冬になると日本海沿岸部で雷が発生しやすくなります。これは、夏と冬では雷が発生する仕組みが異なるためです。

夏は日中の強い日差しによって暖められた空気が上昇し、積乱雲に発達することで広い範囲にわたり長時間続く雷が起こります。一方で冬は、大陸から流れてくる寒気が日本海海域で暖められ積乱雲へと成長することで起こるものが多く、夏の雷よりも電気量が多く落雷による被害が大きくなりやすいという特徴があります。

落雷の事故事例

落雷の事故事例

ここでは、実際に起こった落雷による事故事例をご紹介します。

釣り中の男性が死亡

2013年7月、荒川の中州で男性3人が釣りをしていたところ、雷雨に見舞われ高さ15メートル以上の木の下へ移動したところ落雷があり、雷撃により1人が死亡、2人が火傷を負う事態となりました。

死亡した男性は最も木に近い場所にいたようで、落雷時に木の側にいることがどれほど危険なことかがうかがい知れます。

ビーチでの落雷

2016年7月、沖縄のビーチで落雷があり男性4人がケガをしました。発生当時は雷注意報が発令され、利用客が建物内に避難している最中でした。

男性たちは建物から数十メートル離れたところにいましたが、雷は建物にではなく地面に直接落ち、ケガにつながりました。このように、高い建物があれば必ずそこに落ちるとは限らず、水平距離で数十メートル離れていればどこに落ちても不思議ではありません。

野球場での落雷

2016年8月、埼玉県川越市の高校の野球場にて落雷があり一塁付近にいた生徒が雷撃に遭いました。このグラウンドの周辺には12本の避雷針があり、落雷の発生当時は晴れ間が見えていて周囲で雷の音も聞こえていなかったとのことです。

積乱雲は真下にいると暗くなりますが、少し離れているところでは晴れ間になることも少なくありません。また、雷の音は落雷があってから私たちの耳に聞こえるため、積乱雲の最初の落雷に関しては、音が聞こえる前に実際は落雷が起こっているのです。

避雷針の保護領域は数十メートルといわれているため、どの避雷針からもある程度離れたグラウンドの真ん中付近であれば落雷が起きる可能性も比較的高いといえます。

街中で買い物中に雷。どうすればいい?

街中で買い物中に雷。どうすればいい?

外にいるときに、雷が鳴り始めたら、まずは建物の中に避難しましょう。

特に、鉄筋コンクリート建築の大きな建物が安全です。木造建築でも安全は確保できますが、雷の電流が構造材を介して伝わるおそれを考慮して、電気器具や天井や壁から1メートル以上離れた場所にいるようにしてください。

店舗の中で買い物をしている最中に雷が鳴り始めた場合も、上記と同様に壁から離れた場所へ移動しましょう。買い物が終わったとしても雷鳴が止むまでは、外に出るのを控えます。

なお、落雷が原因で火災などの災害が起こる可能性は十分ありえます。そのような場合には臨機応変な対処が必要です。

アウトドアやレジャー中の雷。どうすればいい?

アウトドアやレジャー中の雷。どうすればいい?

夏はアウトドアやレジャーに行く機会が増える季節。もし、キャンプ場やゴルフ場、山、高原、海のように、周囲に避難できる建物が見当たらない場合はどう対処したらいいでしょうか。

この場合、ベストな対処方法は車の中に避難するということです。万一車に雷が落ちても、電流は車の外側を通って地面に逃げますので、車内にいれば安全です。

ただし、雷が落ちた場合、車内の金属部分には絶対に手を触れないようにしてください。また、雷の衝撃で車の窓が割れたり、車体の一部が焼け焦げたり、車が横転したりすることも考えられますので、ケガをしないよう十分に気をつけてください。

安全な場所へ避難できない場合に取るべき雷対策とは?

安全な場所へ避難できない場合に取るべき雷対策とは?

雷がきたとき、周囲に建物や車がなく避難ができない場合はどうすれば良いのでしょうか。

【正しい対策】雷しゃがみ

外にいるときに雷が激しく鳴り始めた場合には、「雷しゃがみ」というポーズを取って雷が過ぎるのを待つようにしてください。

雷しゃがみのポーズの仕方は以下の通りです。

1. ひざを折ってしゃがみ、上半身をできるだけ前かがみにします。
2. 両足のかかと同士をつけます。
3. そのまま爪先立ちします。
4. 両手で耳を塞ぎます。

特に重要なのは、2と3です。

両足のかかと同士をつけることで、万一雷の電気が地面から足へと入ってきても、片足から反対側の足へUターンさせて地面に返すことができます。電気が上半身のほうまで流れてくるのを防ぐことができるため、命を守ることにもつながります。

また、爪先立ちをして身体と地面の接地面をなるべく少なくすることも大切です。こうすることで、地面から身体への電気の侵入を最小限に留められます。

【間違った対策・1】貴金属類を外す

ネックレスや腕時計、眼鏡など貴金属類を身につけていると雷撃を受けやすいと思っている方も多いかもしれませんが、実際には貴金属類を外したところで落雷の可能性は変わりません。私たちの体内には元々金属元素があるため、貴金属類があってもなくても雷を引きつけてしまいます。

貴金属類を外しても悪い影響があるわけではないですが、効果はないのであえてする必要はありません。

【間違った対策・2】ゴム製品を身に着ける

長靴やレインコートなど絶縁体であるゴム製品を身につけていても、雷撃から身を守れるようにはなりません。一般的な電圧であればゴム製品でも効果はありますが、落雷ほどの電圧になると効果は見込めないのです。

雷がきたときにやってはいけないことは?

雷がきたときにやってはいけないことは?

次に、雷が起こっているときにやってはいけないことを見ていきましょう。

【NG行動・1】傘をさす

雷のとき、一番やってはいけないのは傘をさすことです。雷は少しでも高く、先のとがったものに落ちる傾向があります。雷と共に雨が降っている場合でも、傘はささないようにしてください。

【NG行動・2】木の下で雨宿り

林の中や森の中のように木が生い茂っている場所へ避難することも大変危険です。

木の下は、側撃雷のリスクが最も高い場所です。落雷などの雷災害による死亡事故のうち、木の下での雨宿り時での事故は、開けた平野での事故に次いで多いといわれています。近くに建物や車がなく、高いものが木しかないというときでも、木に近づいてはいけません。

【NG行動・3】腹ばいになる

なるべく低い姿勢を取りたいがために地面に腹ばいになるのは、身体と地面の接地面積が大きくなるので絶対にNGです。地面から雷の電気が侵入してくる確率が高くなるだけでなく、胸を地面につけているため大変危険です。

まとめ

雷は夏の時期に起こりやすいものですが、夏以外の時季でも発生しないわけではありません。落雷を受けてしまうと火傷などの大ケガ、最悪の場合は死に至ることもあるため、雷から身を守る術を知っておくことは生死を左右するほど大事なことです。

雷災害によるケガや事故は、決して他人事ではありません。そして、前触れ無く突然に起こるものです。ぜひ対処方法を覚えて、万一に備えてくださいね。

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タグ : 災害 避難 対処
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