ロールボックスパレット(カゴ車)の事故を予防しよう!正しい使い方をご紹介

2018.08.13店舗内の危険事故
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スーパーなどの店舗で荷物を運搬する際、ロールボックスパレットがよく利用されています。「カゴ車」や「カゴ台車」とも呼ばれるロールボックスパレットは、開口部以外の3面が囲われていることから、荷崩れがあまり起きない便利な道具です。そのまま商品棚として活用することもできるため、多くの店舗で利用されています。

利便性の高さから広く普及しているロールボックスパレットですが、これが原因の事故も数多く発生しています。便利だからこそ、事故予防のために安全に配慮して使用しなければいけません。今回は、ロールボックスパレットで発生する事故や、それを予防するための使い方についてご紹介します。

ロールボックスパレット(カゴ車)とは


ロールボックスパレットとは、キャスター(車輪)付きの箱型パレットのことです。キャスター付きなので、ハンドパレットやパレット台車などの道具いらずで、積み荷を移動させることができます。安全性と利便性をあわせ持つパレットのため、多くの店舗や物流現場で使用されています。

ロールボックスパレット(カゴ車)の特徴

ロールボックスパレットの最大の特徴は、開口部以外の3つの面が柵で囲まれているため荷崩れしにくい点です。

開口部の上部には、高い位置まで積んだ荷物の落下防止のためのサイドバーがあるため、開口部の安全もある程度保たれます。一度で多くの荷物を積むことができるので何度も荷物の積み降ろしをせずに済み、作業の効率化・時間短縮につながります。

荷物をすべて降ろした後は折りたたんでコンパクトにできることも、ロールボックスパレットの大きな特徴の1つです。

サイドバーを外し、荷物を置くベース(底面)を上げて奥のフレームにつけ、片側のサイドフレームも奥のフレームにつけることで、スマートなL字に折りたたむことができます。折りたたんだロールボックスパレットは前後に重ねて置くことができるため、使用しない間はスペースを取らずに収納・保管が可能です。

ロールボックスパレット(カゴ車)の使用中に発生しやすい事故


ロールボックスパレット使用中の事故を予防するためには、まず、どのような事故が発生しているのかを知る必要があります。ロールボックスパレットでの事故は、大きく分けて自損事故と衝突事故の2種類があります。

下敷き、足はさまれなどの自損事故

自損事故の具体例としては、ロールボックスパレットの下敷きになる、足をひかれるといった事故があげられます。

操作の誤りや衝突などによってロールボックスパレットのバランスが崩れて横倒しになり、その下敷きになった場合、打撲や出血などの大けがにつながります。倒れたロールボックスパレットの下敷きになったことによって死に至る事故も発生しているなど、大変危険度の高い事故です。

ロールボックスパレットはキャスターが付いているため他の道具を使わずに移動させることができますが、キャスターにロックをかけていない状態だと、不意に動いてしまうこともあります。仮に従業員がロールボックスパレットを引いて運搬している最中につまずいて転倒しても、ロールボックスパレットの動きは止まりません。それが原因で、運搬者自身が足をひかれたり手をはさまれたりするような事故が発生する可能性があります。

人や障害物への衝突事故

衝突事故の具体例としては、前方にいる人や他の積み荷、壁などの障害物に気付かずに衝突し、相手をけがさせてしまったり、ものを破損させてしまったり、運搬者自身がけがをしてしまったり、といったことがあります。

自損事故、衝突事故ともに、大きなけがや損害に発展してしまうケースもあるため、事故予防のための対策を徹底する必要があります。

正しい使い方で事故を予防しよう


前述したように、ロールボックスパレットを利用する際には事故の予防について意識をする必要があります。ロールボックスパレットの正しい使い方を再確認するために、厚生労働省や労働基準監督署などが作成した「ロールボックスパレット使用時の労働災害防止マニュアル」に書かれている、作業時のルールの一部をご紹介します。

段差や傾斜がある場所では特に慎重に取り扱う

ロールボックスパレットによる事故を予防するためには、第一に、作業中は常に慎重に取り扱うことが重要です。特に段差や傾斜がある場所では事故が発生しやすいため、一層の注意が必要となります。荷物を積んだ状態でロールボックスパレットを動かすときはもちろん、折りたたんだ状態で動かす際も慎重に取り扱うよう注意喚起を行いましょう。

基本操作をしっかりと覚えてから作業する

ロールボックスパレットの操作は必ず両手で行います。まず、両手に均等に力を入れることが重要です。そして、手だけで動かそうとするのではなく、膝を曲げて下半身の力を利用して動かすことも大切なポイントです。

また、ロールボックスパレットを動かさないときは、どんなに短い間だとしても必ずキャスターのストッパーをかけるよう習慣づけを行いましょう。

操作方法を状況に合わせて使い分ける


ロールボックスパレットの操作方法には「押し」「引き」「横押し」の3つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

例えばスーパーなどの店舗内では、衝突の可能性が比較的低く、操作が効きやすい「引き」で運搬することが多いかと思われます。ただし「引き」で運搬をする場合、後ろを振り返らないと進行方向の確認ができないことなどから長時間の移動時には向きません。

操作をする場所や状況に合わせて操作方法を使い分けすることで、事故を予防することができます。

荷物の積み方に注意して荷崩れを予防する

荷物をきちんと積載することも大切です。ロールボックスパレットは背が高いため、目いっぱい荷物を積み上げると操作時の視界が悪くなります。また、重いものは下、軽いものは上という基本的なルールを守らなければ、重心の問題から荷崩れが起きやすくなります。このような積載時の注意点を遵守させることで、事故を予防することができます。

事故を予防するために重要な、使い方以外の注意点

作業に適した服装をする

ロールボックスパレット操作時のけがを予防するためには、服装も重要です。汚れても良い長袖長ズボンを着るのはもちろん、滑り止め付きの手袋やヘルメット、足首を守るプロテクターやつま先を保護する作業靴などを必ず着用して作業にあたるよう指導しましょう。

複数人で取り扱うときは声を掛け合う

何人かで協力してロールボックスパレットを取り扱うときは、1人のときよりもさらに注意が必要です。あらかじめ指揮を執る人を決め、声を掛け合いながら作業をしましょう。

万が一ロールボックスパレットが倒れそうになった場合は、事故の被害を最小限に抑えるために周囲の人たちに対して大きな声で呼び掛け、協力と注意を促すよう指導しておくことも重要です。

まとめ

今回は、ロールボックスパレット(カゴ車)使用中の事故についてご紹介しました。
ロールボックスパレットには重い荷物を載せることも多いため、事故の被害が大きくなるケースも少なくありません。正しい使い方を周知し遵守させ、事故予防に努めましょう。

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タグ : 事故 防止 ロールボックスパレット 自損事故 衝突事故
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