【飲食店】地震の準備はなにをすべき?発生時の適切な対応は?

2019.01.28店舗内の危険事故
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日本は地震大国といわれるほど地震の発生回数が多い国であるため、いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。そこで考えておきたいのが、地震が起きてもお客様を危険にさらさないための事前対策と、実際に地震が起きたときの対応についてです。今回は、地震に備えての事前対策と、地震が起きたときの対応についてご紹介します。

 

地震の準備はなにをすべき?

ここでは、地震の発生に備えて飲食店で行っておくべきことをご紹介します。

 

座席近くの高い位置にあるものの固定

地震に備えて飲食店がしておくべきことは、まずインテリアとして棚に置いてあるオブジェや額縁に入った絵画などのような高い位置にあるものを、しっかりと固定するか場所を変えるかを考えることです。特にお客様の座席から近く、高い位置にあるものは、地震が起きたときにお客様の上に落ちてしまうことも考えられます。そうするとお客様にケガをさせてしまいかねません。

店内の装飾のためにその場所に置いていたり、お客様からの希望で置いてあったりする場合には、しっかりと固定するようにしましょう。

 

厨房の戸棚のチェック

そして、次に考えたいのが厨房の戸棚に入っているものが落ちてくることがないかどうかです。しまっているお皿などが取り出しにくいといった理由から、戸棚の戸を外してしまっている店舗が多くあります。そのような店舗は、すぐに戸を付けるようにしましょう。

また、厨房にものが多く置かれているような店舗は、ものを戸棚の中にしまい、戸をしっかりと閉めるようにしてください。可能であれば、なるべく戸棚の低い位置にものを置くようにしましょう。

 

災害時に指揮を執る防災責任者を決めておく

地震などの災害時には、従業員も戸惑い慌ててしまいがちです。現場で指揮を執る防災責任者をあらかじめ決めておき、非常時に防災責任者から指示を出すことで、従業員が落ち着いて行動することができるようになります。

また、地震発生時マニュアルを用意しておくことも大切です。発生時にまず何をすべきかを明記しておくことで、防災責任者が不在の場合でも従業員自身でマニュアルを確認して行動することができます。

 

地震の発生に備えて備蓄しておくべきものは?

災害時に備えて、店舗内に非常用持ち出し袋などを準備していることも多いかと思います。地震発生時に必要なものが揃っているかどうか、備蓄品を改めてチェックしておくことも大切です。

 

ヘルメット・防災ずきん

頭を守るヘルメットや防災ずきんがあると、避難をするときに役立ちます。クッションなどでも代用はできますが、両手を開けられるヘルメットやずきんのほうが安全性が高く、安心です。すぐに取り出せる場所に保管しておくと良いでしょう。

 

懐中電灯

地震発生時には停電が起こることも多いもの。店内が暗いと不安感が増大するだけでなく、店内を移動する際にケガをする可能性があります。懐中電灯は複数用意しておきましょう。中に入れる電池のチェックも忘れずに。

 

毛布・タオル

停電時、店内が暗くなることに次いで困るのが、冬場の冷え込みです。暖房器具がついていないと想像以上に室温は下がるため、店内で待機したり屋外へ避難したりする際のことを考え、防寒できる毛布や大きなタオルなどがあると役立ちます。

 

救急セット

地震発生時は転倒したり、割れたガラスなどで手を切ったりといったケガをしてしまうこともあります。包帯、消毒液、ばんそうこうなどが入った救急セットも、備蓄品の中に入っていると役立つでしょう。

 

飲料水・カセットコンロ

大地震によって水道やガスなどのライフラインが長期的に止まってしまった場合、飲食店の営業を続けることが難しくなってしまいます。そんなときでも常温保存できる食材と飲料水、カセットコンロなどがあれば、部分的にでも営業することができます。

 

地震発生後すぐに取るべき対応

地震が発生した際には、どんなに小さな地震でも、オーブンやグリルの火をすぐに消し、ガスの元栓を閉めてください。最近は震度5以上の揺れを感知すると自動的にガスをシャットダウンする仕組みになっているところが多くありますが、火を消してガスの元栓を閉めることを習慣づけるとよいでしょう。

 

また、大きな地震の場合、揺れによって店舗のドアに歪みが生じて開け閉めができなくなってしまうことがあります。出入り口、非常口ともに開かなくなってしまうと店舗外への避難が困難になるため、ドアの近くにいる従業員は速やかにドアを開けるようにしましょう。

 

ただし、地震の最中に慌てて外に出るほうが危険であるため、1分間は店内で様子をみてみましょう。大きな地震だったとしても主要振動は1分程度で終わる場合がほとんどです。

 

従業員の来店客への対応

地震発生時や発生後の来店客への対応は、どのように行えば良いのでしょうか。

 

落ち着いて対応することが何より大切

地震発生時に特に重要なのは、従業員の態度です。

小さな地震ですぐに営業再開できるような状況であればよいですが、大きな地震があった場合にお客様が頼れるのは、店舗の構造や周辺地理を理解している従業員です。にもかかわらず、従業員がうろたえたような態度をしてしまうとお客様に不安の波が広がり、パニックになりかねません。地震の最中でも慌てたり怖がったりする様子はお客様には見せず、落ち着いて対応することが大切です。

有事にも慌てずお客様へのご案内や誘導をするために、定期的に避難訓練を行い、従業員全員がスムーズに非常対応できるようにしておきましょう。

 

お客様を安全な場所へ誘導する

揺れが収まったことが確認できたら、お客様を安全な場所へと誘導します。高層ビルやマンションが密集している地域の場合、窓ガラスなどの落下によってケガをする危険性があるため、屋外へ出るのは必ず揺れが収まってからにしてください。

避難の際は、窓ガラスや塀の近くを避けて移動します。お客様の中に小さなお子様がいる場合は、はぐれたり転んだりしないよう保護者の方にしっかり手をつないでもらい、従業員でも目を配りましょう。

 

まとめ

地震発生時には誰しも慌ててしまうものですが、定期的に防災訓練を行って地震発生時のシミュレーションをし、備蓄品をしっかりと準備しておくことで、適切な対応を取ることができます。万が一の地震に備え、安全な店舗づくりを心がけましょう。

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