陳列の基本を学ぼう!安全な商品陳列の仕方とは

2020.04.20店舗の安全管理
Pocket

陳列は売上を伸ばすための手段として考えている方も多いかと思いますが、実は安全な売場作りをする上でも大変重要です。陳列の仕方1つでお客様や従業員が怪我をする可能性が変わりますし、万が一事故が起きた場合の被害の大小も大きく変わってきます。

そこで今回は、どのようにすれば売上だけでなく売場の安全性も高められるのかを考えながら、商品陳列のアイデアなど陳列の基本についてご紹介します。

安全な売場作りにぜひお役立てください。

 

商品陳列を考える際に求められる観点

効果的な商品陳列を行うには、まずさまざまな視点から売場作りを考える必要があります。

 

お客様の購買意欲向上

当然ですが、商品を陳列する目的はお客様に買ってもらうことであり、つまりは売上を上げることです。しかし、お客様目線に立ったときに買い物しやすいかどうかを考えずに売場作りをすると、いくら内容が充実していてもあまり意味がありません。

 

例えば、品揃えを多くすればするほど売上が伸びるのかというと、そうではないでしょう。多種多様な商品を揃えていても、通路が狭いために入りにくくなったり、商品を見にくくなったりすればお客様の視点からすると購買意欲が削がれてしまいます。

どこに何の商品があるのかが明瞭、どこの商品も手に取りやすいなど購買意欲をアップさせる工夫を凝らすことが大切です。

 

従業員の作業効率

売場の狭さや無作為な商品の陳列はお客様だけではなく、現場で働くスタッフからしてもデメリットが多くなります。通路が狭ければ台車を動かしにくくなったり、陳列する際にお客様と接触しやすくなったりなど作業効率が低下しますし、ただただ品数を多くすれば陳列にも時間がかかる、商品の把握が難しくなるなどスタッフの負荷も大きくなります。

 

店内の安全性

購買意欲向上や現場の作業効率以上に考えなければならないのが、安全性です。お客様にとってもスタッフにとっても安全な商品陳列を行うことが、売場作りに何よりも重要なことだといえます。

狭く歩きづらい売場であれば、お客様同士がぶつかることもありますし、荷物を運搬しているスタッフの台車とお客様が接触して怪我を負わせてしまう危険性もあります。また、山積みにされた商品や不安定な場所に置かれた商品が落下した場合、大怪我につながる可能性もあるでしょう。

 

作業効率や購買意欲をアップさせることはもちろん重要ですが、優先順位としては安全性>効率>購買意欲であると考えておいてください。

 

商品陳列の原則

商品陳列を適切に行うことは、来店客数の増加や固定客の増加だけではなく、衝動買いやストック買いなどを促すことにもつながります。

まず、商品陳列の原則として以下の項目を考えることが大切です。

 

誰に

商品のターゲットは男性なのか女性なのか、年齢層はどのくらいかなど誰に向けて販売するのかを明確にします。陳列は商品を通したお客様とのコミュニケーションともいえます。どのようなお客様に訴求するのかをまず考えることが陳列の基本です。

 

どこに

ターゲットや商品の形状、大きさなどに合わせて陳列場所を決めます。商品によって適した場所は異なります。

 

何を

販売する商品の特性(キッチングッズ、季節商品、売れ筋商品etc…)を考えて陳列します。特価商品やオリジナル商品であれば、他の商品とは陳列の仕方を変えることが望ましいでしょう。

 

いつ

商品の特性によっては、季節やイベント事(卒業式、お花見、クリスマスなど)を考慮します。期間限定商品であれば陳列する期間や時期をあらかじめ決めます。

 

いくつ

売れ筋商品は多めにする、売れ筋をより魅力的に感じさせるための見せ筋は少なくするなど、商品の性質を見極めてどのくらいの数量を陳列するのかを考えます。

 

どのように

商品の価格帯や大きさ、形状などによってどのように陳列するのが最も効果的なのかを考えます。

 

何を使って

商品に適した陳列をするためにはどのような什器やディスプレイ用品を使えば良いのかを考えます。

 

安全な商品陳列のポイント

それでは、安全な商品陳列を行うにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

 

高い場所へ陳列しない

基本的に、買い物客や従業員が手の届かないような高い場所へは陳列しないようにしましょう。お客様の体やカバンなどが陳列棚にぶつかった際や、地震などが起こった際に商品が落下してくる危険性があります。

特に、重量のある商品が頭などに落下した場合、大怪我につながることも考えられます。思い商品や角が鋭利な商品などは、高い場所へ陳列するのは避けましょう。

 

過剰に陳列しない

陳列棚の耐荷重やキャパシティーを超える量の陳列は避けてください。無理やり多くの商品を陳列することで、何かの拍子に落下しやすくなります。

また、天井近くまで商品を積み上げる、多くの商品を乱雑に陳列するなどの圧縮陳列をしてしまうと、商品の落下だけではなく火災時に火の手が回りやすくなる危険性も出てくるため止めておきましょう。

 

割れ物の陳列は落下対策を

割れ物の落下はお客様の怪我以外にも商品そのものの損失にも直結します。陶器やガラスなど割れやすいものを陳列する際は、低い場所に陳列するだけでなく、棚に固定するなどして落下しないようにする対策が必要です。

 

購買率を上げたい商品の陳列変更アイデア

商品の中に特に購買率をアップさせたいものがある場合、次のような陳列アイデアを取り入れることがおすすめです。

 

陳列場所を変える

陳列棚の正面に立ったとき、最も目につきやすいのは中央部分だといわれています。端よりも、自然と中央に置かれている商品に手が伸びやすくなるのです。

また、日本人は右利きが多いため、右側の商品の方が手に取りやすいともいわれています。そのため、特に売りたい商品は中央から少し右寄りに配置すると良いでしょう。

 

陳列数を増やす

単純に陳列数を増やすのも効果的なアイデアです。目立つところに多く置かれていると売れ筋商品だと思わせることができ、購買意欲を上げることができます。

 

陳列方法を変える

購買率を上げたい商品は、陳列方法を変えて目立たせるという方法もあります。例えば、テーブルの中央に単体で陳列する(シンメトリー陳列)ことで特別感を演出することが可能です。見やすさもあり、陳列しやすく美しく見せられるなどその他のメリットも多くあります。

 

陳列方法の種類

ここでは、基本的な陳列方法についてご紹介します。

 

縦(垂直)陳列

同じ商品または同じジャンルの商品を上段から下段まで縦に陳列する方法です。例えば、しょうゆ、だしじょうゆ、めんつゆなどを同じ壁面棚に陳列します。

 

横(水平)陳列

同じ商品を1つの陳列棚の横方向に陳列する方法です。商品が置かれた面積が広く見える効果があります。

 

島陳列

平台を使った、4方向どこからでも手に取れる陳列方法です。コーナーに設置しやすく、大量の商品を陳列できることも特徴です。

 

投げ込み陳列

目玉商品・セール品などをワゴンやザルなどに投げ込むように入れて陳列する方法です。

 

まとめ

陳列は商品の売上アップやお客様の購買意欲向上だけではなく、従業員の作業効率にもつながります。しかしそれ以上に影響を及ぼすのが、売場の安全性です。

お客様が買い物しやすい環境を作ることだけではなく、商品が落下しないように対策を行う、人が接触しないようにするなど安全な売場作りを意識しましょう。過剰に積み上げるなどの圧縮陳列をすることは避け、特に売りたい商品は陳列の工夫などをすることで、安全性を保ちながらも売れる陳列棚を作ることが可能です。

 

 

高度な専門性と幅広い知識で商空間と住空間を演出

カタログダウンロード

タグ : 陳列方法 安全 店舗 陳列
Pocket